范曽美術館 期間限定特別開館 作品43点を一挙公開

西大寺会陽前後の2月18日(金)~20日(日)3日間のみ一般公開
中国人物画の鬼才・范曽(はんそう)氏の名前を冠とした世界唯一の美術館

「中国人物画の鬼才」范曽氏の貴重な作品を所蔵する范曽美術館(公益財団法人 両備文化振興財団、所在地:岡山県岡山市東区西大寺上1丁目 両備バス西大寺バスセンター2階、館長:小嶋光信)では、毎年2月第3土曜日に開催される西大寺会陽にあわせて、この時期に3日間限定で特別開館をしています。

范曽氏は豊かな歴史的素養に基づいた人物画と、格調高い書に加え、詩や文章にも通じた“三絶の人”と称えられています。また、後楽園の名称の由来となった「先憂後楽」の言葉を遺した北宋の名臣・范仲淹の直系の子孫でもあります。 范曽美術館は、中国本国にも存在しないため「幻の美術館」と話題を集めている世界唯一の美術館です。

■特別開館内容
催事名称:范曽美術館特別開館 (3日間限定)
開催場所:范曽美術館(岡山県岡山市東区西大寺上1丁目 両備バス西大寺バスセンター2階)
開館月日:2022年2月18日(金)~20日(日)
開館時間:10:00~16:00 (入館は15:30まで)
入館料:大人1,000円、学生(高校生以上)500円、中学生以下無料
※中学生以下のお子様と来館された大人の方1名様は2割引き
展示作品数:43点(書・画など)

(アクセス)
バス: 岡山駅10番乗り場より両備バス「西大寺」行き「西大寺バスセンター」下車
または岡山天満屋バスターミナルより両備バス「西大寺」行き乗車
「西大寺バスセンター」下車(岡山駅より約40分)

■范曽(はん・そう)
(考古用語辞典より)江蘇省南通市出身
「中国人物画の鬼才」と呼ばれる優れた画家です。范曽の画は、画面の切り取り方というか、人物の配置なんかが絶妙です。墨で描かれた輪郭は繊細な感じがするのに、画全体には勢いがあって、すごい存在感です。水墨による豪放な人物画に長じ、白描にも優れている。文章、詩句も作る。《魯迅小説挿図集》等の出版物がある。
北京市中央美術学院に中国画を学ぶ。1979年栄宝斎代表団とともに来日、東京・大阪で作品展を開催。 1984年4月、岡山市西大寺に「范曽美術館」が開館、南開大学東方芸術系主任教授に就任する。1986年「10人の画家訪米団」に参加、ワシントン、ニューヨークなどで作品展開催。1987年にはドイツで作品展を開催、その後も東京・大阪・京都・岡山など日本各地で個展を開催した。

■主要展示作品
《岡崎先生造像》
岡崎 嘉平太(かへいた)(1897~1989)は、岡山県賀陽郡大和村(現・吉備中央町)生まれの実業家。航空事業など実業家として活躍するとともに、日中の国交断絶時代に日中友好に力を尽くした。

由縁:范曽を「中国の歴史に残る画家である」と称し、范曽美術館設立に際しても尽力し名誉館長を務めた。范曽美術館初代館長の松田基は岡崎先生を生涯の師とあおぎ、岡崎氏は周恩来を人生の師友とされていた。

《八仙図》(1979年)
三国八仙とは、中国の民間伝説の八人の仙人の総称。韓湘子(かんしょうし)、張果老(ちょうかろう)、李鉄拐(りてっかい)、藍采和(らんさいわ)、何仙姑(かせんこ)、呂洞賓(りょどうひん)、漢鐘離(かんしょうり)、曹国舅(そうこくしゅう)の八人を指す。(時代により構成が多少異なる。)

由縁:松田基(夢二郷土美術館・范曽美術館初代館長)が中国料理店でこの「八仙図」と初めて出会い、大きな感銘をうけたことがきっかけとなり、范曽氏との交流が始まって作品を蒐集しこの美術館が創設された。画賛はこの作品が美術館に譲られたときの范曽氏の思いが漢詩で書き加えられたもの。岡崎嘉平太記念館が吉備中央町のきびプラザ内に現存。(https://www.okazaki-kaheita.jp

《浮丘汲泉図(ふきゅうきゅうせんのず)》(1983年)
臨済宗の僧侶 山田無文(1900~1988)を「浮丘」になぞらえて描かれたとされる作品。無文老師は、河口慧海のもとに入門し関精拙の法をつぎ、禅文化研究所を設立し世界に禅文化を伝えるとともに戦争被害を受けた南方諸島に行脚をした。また花園大学学長・臨済宗妙心寺派管長をつとめた。

由縁:1970年松田基初代館長は、東京のセミナーで初めて無文老師の話を聞き、感銘を受ける。1971年両備グループ夏季幹部セミナーでの講話以来、無文老師が来岡する際には必ず有隣山荘に招き、家族ぐるみでもてなした。松田初代館長は無文老師を敬い、無文老師は松田初代館長を“岡山の息子”と呼び、折にふれ教えを授けた。老子が逝去する間際、松田初代館長に向けて「息子よ曹源寺(岡山市中区円山)の面倒を見よ」と言い遺した。住職として送り出した弟子、原田正道老師を気にかけた言葉に従い、松田は1993年、曹源寺に仏塔を建立した。 

お問合せ:(公財)両備文化振興財団 086-271-1000

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