和歌山電鐵株式会社
社長 小嶋光信
お陰様で和歌山電鐵は、貴志川線の未来をつくる会をはじめとする地域のみなさんや全国のみなさん、国、和歌山県、和歌山市と紀の川市など行政や議員のみなさんのご協力と、毎日の業務やイベントに献身的に努力してくださる社員のみなさん、そしてスーパー駅長たま様(勲功爵)のお陰で、再生も極めて順調に進んでいます。昨年は既に補助金を半減するまでに成長することができました。
電車に続いて貴志駅のリニューアルの話が出てきて、正直大いに迷いました。戦前からの地域の思い出を残すか、それとも新しいコンセプトで駅を造るかを思案した結論は、スーパー駅長たま様に相応しい駅舎であり、木の国和歌山県の紀の川市の表玄関に相応しい駅舎を造ることでした。
私が水戸岡先生に注文をつけたのは、たま駅長にふさわしい駅舎であることと、和歌山県産の檜皮葺にするの2点だけでした。水戸岡さんは、エコでネコロジーをテーマに擬猫化された素晴らしいデザインを考えてくれました。
建物をハコモノと言いますが、この箱はたまをモデルにした駅舎としてだけでなく、たまの駅長室、たまカフェ、たまギャラリーやお社などまさにたま(玉)手箱です。檜皮はじめ和歌山県産の地産・地消の自然素材を中心にした貴志駅舎は、世界に二つとない駅舎になり、地域の誇りとなるでしょう。
この駅舎が和歌山県、紀の川市の名物になって、地域の発展に寄与して、そのうえ和歌山電鐵の50年、100年の存続のモニュメントになれば幸いです。
以下は水戸岡氏+ドーンデザイン研究所によるデザインコンセプトです。
究極のエコ・ネコロジカル建築 貴志駅 たま駅舎
2009/10/20水戸岡鋭治+ドーンデザイン研究所住民の、住民による、住民だけでない皆さんのための鉄道路線として広く共感を呼んでいる貴志川線。
沿線を越えて全国的な人と文化と経済交流の結節点をつくったのが、想定外のキャラクター「たま」であることは言うまでもない。いまやあちこちで就任している動物駅長のさきがけであり、動物界の一大現象を巻き起こした。
それゆえ貴志駅設計デザインのコンセプトが「たま駅長のためのエコ建築」であっても不思議ではないだろう。ネコの顔をした、たまの棲む家
貴志川線のシンボル、たま駅長をデザインのモチーフとして前面に打ち出した。
擬人化ならぬ「擬猫化」(ぎびょうか?)された駅舎である。駅舎外観
遠くまで見通す光る「目」と、どんな音も聞きもらさない「耳」をつけた屋根は、地元のヒノキの皮を張り重ねた伝統の工法、檜皮葺(ひわだぶき)。
「擬猫化」といっても、メルヘンチックというより伝承の民話・説話の世界に近い。
洋のようでありながら和の郷愁を感じさせるたたずまい。駅舎内部
木、石、土、レンガ、ガラスといった天然素材による、大きな土間のような空間は、ネコ好き・鉄道ファンでない人をもゆったりやさしく包みこむ懐かしさに満ちている。
・柱や梁が美しく組まれた、たま好みの屋根裏。ここに駅長が放たれる時間ができたら、どんな風に楽しんでもらえるか。ホーム
お客様やサポーターの皆さんへの感謝の気持と安全安心の祈りをこめて、3つのテーマをもつ「お社」を建立。
- いちご神社(電車と果物はじめ農作物)
- おもちゃ神社(電車とおもちゃや遊具)
- ネコ神社(電車とねこや動物全般) を祭る。
渋谷のハチ公、浜松町の小便小僧のような名物スポットになれるか。
駅を囲んで
季節を彩る桜(たまお気に入り)かえで、もみじ、くす、けやきなどを植え、樹木で駅を守る。いつか森の駅になるように、小規模な植栽ではなく樹木を選ぶこと。その他
たま駅長室、たまトイレ たまカフェ たまショップ、たまギャラリーを併設する。