両備グループ代表:CEO
小嶋光信
これは便利!スマートフォンのGPSを使ったアプリで、自動的に居場所を感知して、住所や場所をわざわざ言わなくても、一番近いところに居るタクシーの配車を受けられるシステムを、4月10日から岡山市内のグループタクシー4社(440台)の配車業務を行なう両備タクシーセンターに導入しました。
両備グループでは、電話番号をお客様に言っていただいたらタクシーの予約、配車が出来るシステムを昭和50年代後半に全国に先駆けて開発しており、両備タクシーセンターの救世主になるとともに、両備グループのリオスが「タイムス」の愛称でそのコンピューターシステムを全国に販売していました。次世代は携帯電話でお客様が乗務員に直接予約を入れる時代が来るだろうと、システム開発のタイミングを探っていましたが、ここにきてスマホが登場し、まさしくパソコンを持ち歩いているかのような多機能とGPS機能の発展で、スマホを持っていれば、お客様が何処にいるかすぐに分かる様にまで進化し、様相が一変しました。
固定電話から携帯電話へは、現在の予約配車の延長ですが、GPS機能付きのスマホの登場で、更に進んだ配車が可能になりました。
東京の日本交通さんが全国に先駆けてスマホによる「全国タクシー配車システム」のアプリケーションをマイクロソフトの技術協力で開発され、川鍋社長からサービス提供の熱心なラブコールがありました。両備グループとしては、先駆的な開発を続けてきたので、自社開発でという声も大きかったのですが、日本交通のシステムに参加することを決意しました。
現在両備グループでは、この日本経済の停滞以上に地方経済力がどんどん沈滞しているデフレ時代に、インフレ経済型の競争、すなわち競合相手と競って争っていれば、ともに消耗して苦しむだけなので、デフレ経済型の経営戦略として「競創」、すなわちお互いに良い意味で競い合い、お互いに協力して新しいマーケットや経営を創造するように切り替えています。
タクシー業界はというと、全国的に規制緩和による大増車とマーケットの縮小という挟撃に遭い、事業というには程遠い経営困難に陥るとともに、最低賃金以下で働く乗務員さんが他社には大勢いるという業態で、夢を失ってしまいました。
これらのことから
- 自社開発しても費用対効果が合わないし、現状ではシステムを導入できるタクシー企業は数少なく、ソフト販売の困難が予想される。
- スピードを求められる時代に、今から開発して時間ロスを出すより、先発のシステムが良ければ競創によって早期投入が賢い。
- 現状は全国タクシー配車といっても、ナロウエリアのサービスで、ネットワークは生きていないが、いずれ全国ネット(現在22都道府県30グループ)が活用できる。
が、日本交通のシステムに参加した理由です。
このシステムは、最適予約配車が受けられるばかりでなく、行き先を入力しておけば、実車ボタンが押された時点で行き先が自動的に表示されて、声を出すのが不自由な方や、行き先を分かっておいてくれれば間違いない子供やお年寄りのお送りに安心で便利です。
また、あまりタクシーを利用いただけていない若者にも、スマホで呼べるタクシー配車に興味をもっていただいて、タクシー市場の拡大につながれば幸いと思っています。