「路面電車運転士養成講座」を開設!

岡山電気軌道 社長
小嶋光信

岡電運行開始100周年の記念事業として、路面電車の運転士養成事業を全国で初めて行なうことにしました。
LRT事業の普及のため、また運転士の採用や補充のために、現在のシステムですと、路面電車各社は社員として採用して教育して国家試験を受けて、運転技術を習得して正式に運転士になるまでに1年前後を要してしまいます。運転士が不足して、1年もかかって養成していたのではとても急な対応に間に合いませんし、各社大変苦労しているのが実態です。

従って、運転士養成の教習所や専門学校が望まれるところですが、現状無いということが業界としての問題点の一つです。
岡電では、和歌山電鉄貴志川線の再生で、養成に半年以上かかって苦労した経験があり、このことが再生など旧会社と新会社をシームレスにつないで空きの無いように運行継続するにはアキレス腱といえます。LRT事業の拡大や、急な運転士を必要としたときの対応として、資格を要した運転士のストックが必要です。この要請に応えようということが設立の大きな目的です。

また、インド国プーネ市へのLRT事業のアドバイスを開始するなど、今後もアジア、アフリカにおけるLRT事業が見込まれ、そのためにも事業化の暁には、運転士の養成機関が急務なのです。

しかも、岡電では、路面電車の簡単な運転実践講座を月一回実施していますが、毎回定員が埋まり、また、欠員補充の際の募集をかけると、毎回50~60名の申込みがあり、路面電車の運転士に対する関心、免許取得希望者の潜在性は計り知れないものがあります。

岡電が、教育研修に向いていると思われる理由は以下の通りです。

  1. 路線が5キロ弱と短く、コンパクトに運転と運行や整備を学びやすい。
  2. 50年以上前の車両からMOMO2まで、古い車両から最先端車両まで取り揃っていて、実務研修しやすい。
  3. 今まで国家試験合格率が99%以上と好調なことからも、教育実績があげられる期待がある。
  4. 岡山県は日本のほぼ半分の位置にあり、全国から研修にいらっしゃるには交通の利便性が高く、且つ災害が少ない。


岡山を路面電車の運転に必要な乙種動力車運転免許取得のメッカに育て上げ、ひいてはLRT事業の普及活動の原点になるように頑張りたいと思います。

*応募概要はHPのプレス発表をご覧ください。

岡山電気軌道株式会社