両備グループ代表:CEO
小嶋光信
今回のような、自己破綻に伴う路線廃止では、退職金債務や賃金の不払い分など、多額の債務の関係上、そのまま雇用を引き継ぐことが出来ず、路線廃止に伴う解雇を経て、路線再建をする会社が新たに新規雇用をせざるを得ない。
従って、
- 破綻が分かった段階から、権利行使で有給を消化しようとする乗務員が多発して、それ以後のダイヤが組めなくなる事態が発生している。
この残り有給消化の救済をどのようにして、破綻までの間、勤務を継続する気になる政策措置をするか。 - 救済に入る会社の新規雇用になるので、勤続も初任給からにならざるを得ず、特に今回の場合は解雇で通常の約2倍の失業給付が受けられるため、失業保険を請求した方が、給料によっては得な場合が生じて、いったん退職を選ぶ方が有利であると思う乗務員も多く、引き続きの雇用が難しくなる。
どのようにすれば、不利益を被らずに乗務員が新しい会社に引き続き勤務してくれるかの特別措置が必要になる。また、緊急雇用の助成金の検討が必要になる。希望の職種の就職先があるのに、失業給付を取りに行く弊害は一考の余地がある。 - 過激な労働運動や、未熟な運転や接客技術などをしていて、引き続き雇用の見込みが無い者や、破綻する企業の経営者への恨みから、引き継いだ会社に勤めようとする社員へ、事実無根の流言飛語を飛ばして、妨害するケースが多発し、雇用確保に支障を来した。
引き続き雇用される方が生活に有利であるという失業給付の在り方とともに、ハローワークなど第三者が雇用の受け皿になって、就職希望を纏め、紹介によって面接するなどの対策が必要になる。 - 運行を止めずにシームレスに第三者への就職希望を行なうためには、土日の間引きや、勤務終了や中間の時間帯にハローワークがその破綻する会社に出向き、随時受付と斡旋を行えるような配慮がいる。
以上
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