Message代表メッセージ

2009.01.19

両備ヘルシーケア発足あいさつ

両備ホールディングス社長 
小嶋光信

このたび三洋エメリタス社の経営を引き継ぎ、「両備ヘルシーケア」として発足することになりました。
三洋エメリタス社が経営していた「サン・オークス倉敷」を、地元である両備に任せようと選んでいただいたことに感謝するとともに、三洋さんが生み育ててきたこの事業を、ご期待くださったようにきちんと育てていきたいと思います。

両備グループはまちづくり、地域づくりを使命としている企業グループですが、高齢化社会における福祉介護の事業を将来の中核になる事業と位置づけています。そのため、私は約20年前から福祉介護事業の研究をするため色々な会合に出て勉強をしていました。

そのとき、この事業の経験の深い方が2枚の写真を私に見せて、「これらの写真が何か分かりますか?」と言われました。1枚の写真には数台のベッドに痩せこけて口を開けて寝ている外国の老人たちが写っていました。もう1枚には同じポーズの写真ですが、日本の老人たちが寝ている写真でした。「病院の写真ですか?」と尋ねると、「いいえ、1枚は強制収容所アウシュビッツの写真で、1枚は日本の老人ホームの写真です」と言われました。これが実状です、と言われて、飛び上がるほどビックリしました。

また、ある会合で熟年の女性が、「あなたたち男性には介護を語る資格はありませんよ。日本の老人の平均は約7年間病床にあって、男性は女性の介護を受けて亡くなっていきますが、介護した女性は誰も介護をしてくれる人が家庭にいないのです。全ての家庭の介護を女性に委ねて、何の介護もしない男性に介護を語る資格がありますか。家庭で介護している女性はヘトヘトです」と言われた言葉が胸に刺さりました。

そのとき、健康で自立した幸せな老後が大事であり、家庭における介護の軽減が急務であると痛感しました。交通運輸業を主軸として、まちづくり、地域づくりを主業務にする両備グループとしては、高齢化社会のまちづくりとしてどう対応していくかということを考えました。

それで、在宅において介護されている方々の支援を中心に、まず身近なタクシーで、家庭に閉じこもって病院や買い物にいけないご老人に移送介護のシステムを提供しようということで、岡山市内440台のタクシーを中心に介護事業を始めました。

その後、「倉敷ケアセンター両備そよ風」を開業し、デイサービスとショートステイ事業で在宅介護支援を拡充しました。
コンセプトは「明るく、楽しく、健康」で、自立できる介護を目指し、施設もリゾート風に明るく、料理は健康を気遣いながらも、美味しく食べていただける工夫を凝らすなど、温かい介護に心がけるリゾート型福祉介護施設にしました。特にお年寄りを幼児扱いにする言葉や態度を絶対取らずに、尊敬の念を持って接するようにしています。

しかし、家族で介護出来ない方々、また介護度が上がって施設に任せなければならない場合には、やはり有料老人ホームが必要です。また今後展開するマンションや個人住宅にも、将来介護を必要としても住み続けていける工夫やノウハウが要るようになります。従って、今回のサン・オークスの譲渡は、シナジー効果があるのです。

有料老人ホームや高齢者向け住宅が今後増えていくでしょうが、現状では経営が苦しくなるとサービスや約束が守られなかったり、安心な介護・医療が期待できなくなったりなどのトラブルが頻発しているようです。両備グループの経営理念は「忠恕=真心からの思いやり」ですから、誠心誠意の真心からの思いやりをもってこの事業も育てていきたいと思います。

「両備ヘルシーケア」という名称も、死期を待つだけの福祉介護ではなく、老後を健康に希望を持って生きていけるように心がける福祉介護を目指すということで命名しました。
みなさまに安心して任せていただける介護、豊かな心で、明るく希望のもてる老後を過ごせるお手伝いが出来るように頑張ります。

両備ホールディングス
2009.01.19

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