井笠バスカンパニーの「菜の花バス」運行開始!

井笠バスカンパニー社長
小嶋光信

笠岡駅前に菜の花をデザインしたラッピングバスを見たとき、本当にパッとバスターミナルに花が咲いたようでした。このバスは、4月から始まった「晴れの国おかやまディスティネーションキャンペーン」に呼応して、「笠岡いいとこ巡りバス」として運行される「菜の花バス」です。

バスのダイヤは、笠岡の玄関口の笠岡駅から土日祝にほぼ1時間に一往復のピッチで走り、JR笠岡駅 → 笠岡市立竹喬美術館 → 笠岡市立カブトガニ博物館 → 道の駅笠岡ベイファーム → JR笠岡駅を巡ります。この際に駅前のバス案内所の改修も行いました。

平成24年10月に破綻を発表し、たった19日で路線廃止となった前例のない事件ともいえる井笠鉄道のバス路線を、国、岡山、広島両県と沿線市町の要請で両備グループにより公設民託という方法で再生できたのは、当時沿線市町をまとめて協議会を主宰していた三島市長の存在が大きかったと言えるでしょう。各市町の住民の不安の中で、マスコミと議会注視の中でのオープンな議論が行われ、各首長さんの迅速な取りまとめと決断が無ければ、一旦バスの運行は中断し、運行再開できても現状のような路線の維持はできなかったでしょう。私も笠岡市議会で約2時間説明をし、公設民託方式を理解していただいたのが昨日のように思い出されます。

雨降って地固まると言われますが、この事件を解決したことが、私が取り組んでいた交通政策基本法の頓挫を解決し、法制化されることになり、全国の交通の根幹になったのです。

この基本法の肝は、地域公共交通は移動の手段だけでなく、市民、行政と事業者が一体になって地域活性化を行うということ、この「菜の花バス」はまさにその役割だと言えるでしょう。

このバスに乗ってJR笠岡駅 から道の駅笠岡ベイファームに行ってみましたが、のどかな沿線風景を楽しみながら道の駅に着くと、一面に菜の花特有の花の香りと5ヘクタールに咲きほころぶ菜の花が圧巻でした。

道の駅には多くの人が楽しそうに笠岡の魚介や野菜などを買い求めていて、きっと家に帰って家族団欒のご馳走になるのでしょう。

笠岡駅から片道22分で巡るこのバスで、竹喬美術館とカブトガニ博物館、菜の花と買い物を楽しめるワンデーパスは大人500円と手頃で、子供たちも家族も楽しめる小旅行ができます。

夏には「ひまわりバス」として楽しめそうです。

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井笠バスカンパニー