夢二郷土美術館
館長 小嶋光信
昨年12月に、夢二郷土美術館のお庭番「黒の助」が就任5周年を迎え、猫イヤーでは一年が人間の5年分なので、いわば25周年記念ともいうべき永年の活躍を祝って「お庭番頭(おにわばんがしら)」に昇格させることにしました。
「番頭」という役職が本当にあるのかと気になった小嶋ひろみ館長代理が夢二ファンの歴史学者磯田道史さんに相談したところ、歴史的には色々別にあるようですが「まあ良いのでは・・・」ということになり昨年12月に発令をしました。
後日、磯田さんからの「古文書で辞令書を書いたら面白い」とのご提案により書いてくださることになり、3月28日(月)に磯田さんご本人から、古文書風に黒の助に番頭を申しつけていただきました。
流石に忍者のお庭番の辞令で、何と当日どこにも見当たらず「ドロン」と煙の後もなく辞令が雲隠れで大慌てでしたが、磯田さんの機転で新たに辞令を書いていただいて事なきを得ました。
その間、当の黒の助は「何をドタバタやってるニャン」と事の成り行きをあきれ顔でシラッと見ていました。
古文書の辞令は、
そのほう儀、猫の身にて、お庭番役儀、出精あいつとめ、心がけよろしきにつき、お庭番頭申しつけそうろうこと。
というもので、昨今のコロナ禍やロシアのウクライナ侵略などこれが21世紀かと慨嘆することが続いていたので、束の間の心温まるセレモニーになりました。
新たにしたためていただいた辞令は4月5日から夢二郷土美術館本館に展示して皆さんにお披露目することになりました。