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2021.12.20

両備グループ運輸安全マネジメント総括大会(2021)開催!

両備グループ
代表兼CEO 小嶋光信

2年に及ぶコロナ禍で両備グループのT&T部門(交通運輸観光部門)は旅客輸送のバス、鉄軌道、旅客船、タクシーと、空港地上業務や観光の部門は甚大なる経営的損失を被っていますが、このような時がむしろ安全・安心の確保には大事であり、いわゆる「貧すれば鈍する」にならないように「日本一安全な運輸企業」を目指して気を引き締めて頑張っています。

2021年の安全マネジメントの大きな成果は、長年にわたって事故率や違反率の高かった中国バスが管理者の努力と乗務社員の意識改革が進んだことで危険事業所の解除になったこと、岡山電気軌道が軌道部門もバス部門も労使の努力によって大幅改善になっていること、海上部門も海難事故などがなかったことが特筆すべき事柄だと思っています。

旅客部門は社会の移動の縮小で稼働率や走行キロが減ったことで事故率などが減り安全が高まるのが自然の理ですが、2年に及ぶコロナ禍でも安全意識を高めて成果が出ていることは、安全マネジメント委員会の皆さんや、現場の各社、各事業所のひたむきな努力の成果であり、大いに敬意を払いたいと思います。

各部会の成果は下記の如くで、しっかりした取り組みをしています。

【バス部会】
2020年は762台のバスで重大事故0件、有責事故件数が2020年度は43件に33%大幅に減少。2021年は697台のバスで、11月現在重大事故0件、有責事故31件と若干向上の傾向
事故の内容分析では、①25歳以下または、勤続3年未満 ②公休明け(公休明けカードの配布で半減)や、昼食など休憩の前後に多発傾向。
課題は、①バック事故 ②事故の危険予知など未然防止 ③乗務社員のデジタコ、ドラレコでの運転技能、安全意識の向上で、これらの改善に具体的に取り組んでいます。

【物流部会】
2020年度は452台のトラックで10万キロ当たり有責事故率は0.032件。2021年は461台で11月現在0.027件。全国トップクラスの安全を確保している。トピックスと課題は、
① 惜しむらくはバック事故2件、スマホ違反1件、飲酒検知1件。新交通三悪の更なるレベルアップが課題。
② 経験の浅い乗務社員の事故に歯止めがかかってきている良い兆候を更に向上させる。
③ 安全意識向上、現場第一主義のインストラクター活動、ヒヤリハット・KYT活動、社内監査、支店ごとの安全活動・安全大会の取組強化を図る。

【タクシー部会】
2020年は633台で総事故件数143件と31%減少、有責事故件数は45件と2021年11月では台数613台で総事故数117件と19%減少、有責事故件数27件で、バック事故が大幅に減少し、また10万キロ当たり事故率も0.27件から0.19件(1月~9月)と大幅に改善されている。

【鉄軌道部会】
一昨年までの事故多発が改善され2021年は有責事故が11月現在1件と改善している。和歌山電鐵は開業以来無事故を継続しており、両備新交通三悪も0件と優秀であり、2022年以降には鉄軌道全体での有責事故0に向けて取り組みを実施中。

【スカイ部会】
SUICA(Share:共有、Understand:理解、Information:情報、Communication:意思疎通、Assertion:声掛け)プロジェクトで日本一の地方空港の安全・安心なハンドリングと接客一番を目指している。

【海上部会】
2020年は機器不良の岸壁衝突や強風時の走錨など一歩間違えば重大事故になるような事案が多発したが、2021年度は0件と従来からの安全・安心な海上輸送を取り戻している。
今後は教育と訓練でヒヤリハットや危険予知のレベルアップを図る。

【整備部会】
2020年は有責事故4件、2021年は1件で推移しており、5SAF+1Sやヒヤリハットで安全文化の再構築を徹底する。
【内部監査】
現場、事業所に寄り添った監査実施で、現場力や管理者の管理能力の向上を図る。

今回は国交省の笠井次席安全調査官の居安思危(安きに居りて、危うく思う)を題に中間管理職の気づく力の向上で現場の危険を未然に防ぐ重要性を指摘いただきました。

また松本室長と委員会の皆さんの熱意溢れた現場での教育や訓練や管理で、両備グループの安全マネジメント力が飛躍的に向上に向かっていること、両備の労使一体の力を感じた一年でした。

今、両備グループにとって、安全についての「壁」は「ヒューマンエラー」です。「分かっているけど」出来ていない「うっかり」「これくらいはという緩み」などマンネリによる事故や新交通三悪違反ですが、このような事故は実は「気付きが遅い」ので相手によっては重大な事故になる事案です。

事故、事故といいますが、事故も大別してみると3つのレベルがあると思います。

①教育、訓練や技能習熟が未熟なレベルの事故
②分かっているが引き起こすヒューマンエラーでの事故
③気づきや配慮不足による事故
これらのレベルにより、教育や訓練や管理のやり方を変えていかないとレベル2や3の人にレベル1を教育、訓練すればモラルダウンするだけです。各職場の安全レベルと社員のレベルを分析して的確な教育、訓練と現場管理をする。

以上を踏まえ、私からは下記の取り組みをお願いしたいと思います。
1.会社の安全レベルと社員のレベルに応じた教育、訓練の実施
2.サービス三悪改善運動の取り組み
優しい運転、優しい言葉、優しい接客
3.RQCの取り組みを通じて、お仕着せではなく科学的分析による自発的に考える現場力の養成
4.決められたことは必ず守る職場風土の醸成

コロナ禍をテコに安全への意識改革を進めて、両備グループの「安全文化」を再構築して、「安全こそが両備のブランド」になるように、攻めの経営で2022年も「日本一安全な運輸企業」を目指して行きましょう!

両備グループ

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