両備テクノモビリティーカンパニー新工場起工!

両備グループ
代表兼CEO 小嶋光信

コロナ禍で世界が縮こまっているなか、両備テクノモビリティーカンパニーの新工場が起工しました。両備グループにおけるモノづくりに新たな大きな1ページが加わると思うと感無量で大変にワクワクします。

両備グループのものづくりは、昭和50年代に私が創業した旧両備電子部品に遡ります。今両備HDとなった旧両備運輸はフェリー、タクシー、トラックと多彩な輸送業務を担当する輸送の雑貨屋のような会社でしたが、収益基盤が弱く成長力はありますが儲からないので株主さんからは「大飯食らいの大糞タレ」と揶揄されていました。

赤字脱却を目的に昭和49年に東京から帰ってきた当時は、「儲からないトラックはヤメロ!」「儲からないフェリーは廃止しろ!」「儲かってるタクシーと生コン輸送だけやれば良い!」と散々な言われ方でしたが、分析してみると当時許認可制度の中で大きくなれるのはトラック部門だけで、これを物流部門として強化し「下請けから元請けに」「岡山から全国化へ」とかじ取りをしていこうと考えました。

輸送の下請けを脱却し元請けになるには、「ものづくり」を知ってメーカーさんが大事に作った製品の輸送品質を保証して信頼される物流企業にならなくてはならない。旧両備電子部品は、自ら製造業を勉強し知るために始めた事業でした。

M社の下請けでビデオテープとフロッピーディスクを製造して、メキメキ大きくなり数年で500人規模の製造業となり両備グループでも稼ぎ頭になっていましたが、昭和60年のプラザ合意不況で一瞬でチュンと120人だけの仕事になり潰されそうになりました。

両備グループでは社員の首切りはご法度ですから、私の担当する企業の利益で懸命に支えながら「下請け脱却!自社製品のメーカーに脱皮」を目指して社名も「Spirit of Ryobi enable X:両備精神は永遠なり!」の頭文字を取って「SOREX(ソレックス)」として数々の新製品を創り出しました。

世界初「バックするホーバークラフト」や世界的に一瞬ヒットした「全自動豆腐製造機:お絹さん」など一時は大手メーカーの研究機関が調査に来るほどでした。

しかし、実際に売れて儲かっているのは何と小型トレーラーでした。10数台しか売れないホーバークラフトを運ぶものが無かったので自動車の製造許可を戴いて造っていた小型トレーラーがホーバークラフトよりはるかに大きく、100台以上が売れていたのです。

調べてみると全く想像していなかったジェットスキーを運ぶために使われていたのです。

それから主力製品はトレーラーとなり、現在はニッチな小型トレーラー部門では日本のトップメーカーだと自認しています(2015年10月にソレックスは両備ホールディングスと合併し、現在は両備テクノモビリティーカンパニーの一部門として事業推進しています)。

もちろん、この新工場ではこのトレーラーの製造がメインの一つですが、両備テクノモビリティーのソレックスになって、これからは「AI・IoT・ロボット化」という両備グループの110周年の経営テーマに沿って輸送用機器の分野で諸々の新製品を創り出していきたいと思っています。

これができるようになったのも木内カンパニー長はじめ、ものづくりのプロが揃ったことと、ICT分野で両備システムズがあるという強みを協業で活かしていけるからです。

そして来るべきEVの世界にも、大手の興味の少ないニッチな特殊な市場に進出していきたいと夢を膨らましています。

「マイナーな市場でメジャーになる!」を合言葉に「ものづくりの両備」に果敢に挑戦していきます。

両備テクノモビリティー