Message代表メッセージ

2020.04.01

2020年入社式 式辞
逆境を跳ね返し夢ある社会人になろう!

両備グループ
代表 兼CEO 小嶋光信

両備グループへのご入社おめでとうございます!皆さんを心から歓迎致します。

現在、新型コロナによる世界不況とも言える見えない敵で世界が急速に縮んでいます。恐怖が恐怖をうむ状況に、こういう時こそ冷静に「ピンチはチャンス」と次の一手を考える時です。

三月中旬に和歌山県の仁坂知事と和歌山市長、紀の川市長を訪問して意見交換をしていました。仁坂知事は新型コロナウイルスで和歌山県内の病院で院内感染が起こった時、自ら先頭に立って防止対策を示し毅然とマスコミの対応をされていました。テレビで拝見しましたが状況を冷静に且つ正直に知らせて、「国の指示には従いますが、一つだけ従わないことがあります。」と言われ、4日間、高熱が続いたら検査をするのではなく、高熱患者が出れば直ぐに県庁のチームが検査と濃厚接触者の調査をするという、いわゆる和歌山県方式で感染予防を見事に進めておられました。アメリカの有力紙のワシントンポストも「和歌山モデル」として大絶賛です。両市長はじめ皆さんが知事を中心にワンチームで取り組んでいる姿を見聞きして本当に感心しましたし、この和歌山県で和歌山電鐵の再建をさせていただいていることに大きな誇りを感じました。

今日は「令和」という新しい元号の初めての入社式でもあり、新型コロナウイルスの問題とともにキッと一生忘れられない入社式となるでしょう。この門出を例年同様に祝ってあげたいと両備グループの総力をあげて新型コロナ対策をして安全・安心に式を挙行することにしました。なぜなら我々は交通運輸業やICT、暮らしやまちづくりが本業であり、現場はこのような状況でも一日も休まず市民の生活のために社員の安全・安心を確保しつつ社会のインフラともいえる仕事を進めていかなければならないからです。社会性のある仕事であることを新入社員の皆さんにしっかり頭に入れておいていただきたいのです。そして業務にはしっかりとした衛生思想と安全・安心思想が必要だということを植え付ける絶好のチャンスだと思っています。問題はいつでも起こるのです。その問題が起こった時、冷静に分析し問題解決をすることが大事なのです。

このような状態が9月まで続くと両備グループはトランスポーテーション&トラベル部門で60億円くらい利益を失うかもしれません。しかし両備グループはビクともしません。110年の歴史の中で、なぜ5部門で45社の事業に拡大してきたか、なぜ地域を岡山から全国へ、アジアへと広げてきたのか、このような生活総合産業全般に亘る幅広い事業展開は世界の企業でも極めて珍しいでしょう。それは長い経験で一つの事業や地域に特化していたら危ないということを知っているからです。どこかが悪くてもどこかが良い、全て悪いということはまずないのです。それだから多くの大不況を乗り越え、社員をリストラせず、みんなで「ワンチーム」でスクラムを組んで両備グループは成長してきたのです。

両備グループは経済の停滞期こそ伸びる!

両備グループは1991年のバブル崩壊後の失われた20年、1997年のアジア金融不況、2008年のリーマンショックという大不況を乗り越えて2010年に創立100周年を迎え、その後も台風や西日本豪雨災害などの自然災害を乗り越えてお陰様で飛躍的に発展することができました。

なぜ、両備グループが困難な時代にも発展できたのか?それは、経営理念の「忠恕=真心からの思いやり」を実践したからです。

私がトップになった1999年以後、2000年、2002年に交通業での規制緩和が行なわれ、全国の名だたるバス会社や地方鉄道業者など34社が経営破綻し、再生されていきました。

そんな時、一本のリース会社の信用照会の電話が「このままの両備グループではいけない」と大改革するきっかけになりました。「両備さんはバス会社ですね?大丈夫ですか?」という、本来、銀行から信用照会するものをその企業のトップに直接電話してきたのです。バスや地方鉄道は潰れるという社会的通念がここまで浸透してきていることに驚きを感じました。

そこで、バス事業の立て直しだけではなく、両備グループの経営の足枷にもなっていた厚生年金基金や健康保険組合の赤字原因を解決し、企業の業績の立て直しを図るとともに、両備バスと両備運輸を合併させて両備ホールディングスを創設し、5つの部門を両備グループとしてまとめ上げて「忠恕」を旗印に、首都圏やアジアへと積極的に進出展開してきました。

昔から「守って勝った大将なし」といわれるように、他社は失われた20年にリストラ、リストラをして、社員を整理し、賃金の安いパートや派遣に切り替えていきましたが、両備グループは正社員主義を貫き、「能力主義的安心雇用」を標榜し、雇用を守って余力の社員で新事業を次々起こしてお陰様で大きくなれたのです。

こうして今日のトランスポーテーション&トラベル部門、ICT部門、くらしづくり部門、まちづくり部門、社会貢献部門の5部門の45社で社員総数約10,000人、年商1,600億円、経常利益約80億円の企業グループへと成長できたともいえます。

実は、「ピンチはいつでもチャンス」なのです。

日本人は世界中が失われた時代だと思っていたのですが、日本以外の先進国や世界の国々の経済は伸びていたのです。

「忠恕」を経営理念にしている両備グループは、創立以来、どんなに苦しくてもリストラはせずに「社員の幸せ」を経営方針にして、基本的に社員の雇用を守り、社員の生活を維持し、家庭をつくり、産み育める正社員主義をとってきたのです。

私は破綻した旧中国バスを再建しましたが、昔は3,000人もの大会社だったのが、引き受けた時はリストラの連続で10分の1の300人程の会社になっていました。一方、西大寺鉄道を廃業した旧両備バスは40数名の全社員をリストラせず、今日約10,000人の会社へと成長したのです。

一般的なマネージメントでは、社員が余ればリストラが常識ですが、両備グループは人こそが宝であり、「社員の幸せ」を考えた結果がむしろ企業を大きくしたと言えます。世界のマネージメント史の中でも稀有な存在です。

社会人とは何か?

ところで皆さんは、今日から社会人ですが、「社会人」とはなんだか分かりますか?

実は、この社会人という言葉は日本にしかなく、英語では「worker=労働者」です。そして欧米では「賃金は労働の対価であり、忍耐の対価」だという考え方をしています。

ところが日本では、欧米の自分のために働くという考え方に対して、「はた=端、人、側」 を「らく=楽」にすることが「はたらく=働く」の意味であり、日本の「社会人」には、社会の一員になって「はた=人」を「楽」にするという意味が込められているのです。

欧米型のように我慢してイヤイヤ働いてお給料をもらうなんて嫌ですよね。

私は働くことが嫌だと思ったことはありません。なぜなら、自分で何をしたいということがはっきりしているからです。

私たちは経済というところで働く社会人ですが、経済とは「経世済民」から創られた言葉で「経世」とは「世を収める」、「済民」は「民の苦しみを救う」という意味で、まさに「はたらく=はたを楽にする」という意味です。嫌々働いていると思うと「働かされ感」がありますが、みんなを楽にしてあげようと思って働くと、自ら「働いてる感」がして楽しくなってくるし、仕事の目的ができていろいろキャリアアップしていこうというやる気が出てきます。また、「働く」は人偏に動くと書きますが、人が動いても働いたことになリません。「端=人や社会のために動けば」、「はたらく=働く」ということになるのです。

猫も働く両備グループ

両備グループには、世界の猫ブームを創って大明神になった「たま駅長」の他に「ニタマ」「よんたま」という和歌山電鐵の駅長2匹、岡電の「SUNたまたま」、おかでんチャギントンミュージアムの「美宇ちゃん」と夢二郷土美術館のお庭番「黑の助」、ベトナム ホーチミン市の両備トランスポートの物流倉庫に3匹の計8匹の猫社員が働いています。

社会人と言っても具体的に人間では分かりにくいですが、ある研究者が「たま駅長」の働いている姿を見て、「任せれば猫も働く両備グループ」と全国に紹介してくれました。

親猫は、子猫を可愛がって手塩にかけて守り育てますが、1年も経たないうちに親猫は鬼のようになって、咬んだり蹴ったりして子猫を縄張りから追い出します。追い出された子猫は、親猫を慕ってニャーニャー鳴いて親の近くに戻ろうとしますが、親猫はさらに激しく威嚇して追い出します。ついに、親猫に嫌われたとトボトボと去って行って、お腹が空いて、お腹が空いて死にそうになって自ら餌を取った時に初めて猫は一人前の猫になるのです。自ら餌を取らず、与えてもらう飼い猫は、一生、成猫にはなれないそうです。

自ら稼いで自分の生活を支えることが一人前の成猫、即ち「社会人」になったということです。さて、皆さんは成猫になれますか?

ロボットやAI、IoTの時代は働く意味が変わる

今、働き方改革が叫ばれて、何か一生懸命働くことが悪いような風潮ができつつあります。世界の先進国の中で社会が異常な方向に動いています。それだけではなく、この働くということがロボットやAI、IoTの時代になると様変わりしてきます。

大昔の手塚治虫さんの漫画ではありませんが、これからは人間だけでなく、多くの仕事をロボットが担っていくことになります。人間のやっている仕事の40%以上はロボットに置き換わっていくとも言われています。

現在、自動運転の車の実用化がすぐそこまで来ています。製造業では既に多くのロボットが働いていますが、これからはあらゆる産業がロボット化されていくでしょう。今は人手不足と言っていますが、これからはどんどんロボットに置き換わって人余り時代になるかもしれません。

じゃあ、ロボット時代の我々の仕事を考えてみなくてはなりません。これからの時代は定型的な反復仕事や口だけの仕事、移動だけの運転の仕事やサービス産業の仕事の多くはロボットができるようになるでしょう。ロボットは文句も言いませんし、365日24時間働いてくれるし、おまけにミスや交通事故をする可能性が限りなく低く、お給料も基本的に電気代だけです。文句も言わず、ミスもせずしっかり働いてくれて、おまけにお給料もほとんど要らないロボット時代に、一体、人間は何をしたら良いのか?です。皆さんはそんなロボット時代を生き抜いていく社員になるのですが、このロボットたちに勝てますか?

一口に「はたらく」と言っていますが、ただ動いているだけの「動く(はたらく)」もあるし、体は動かず口だけが動いている「口動く(はたらく)」という人もいる。人間としてちゃんと「働く」という人もいますが、ロボット時代の人間の仕事は、人偏に考えると書いて「人考く(はたらく)」という時代になるでしょう。

実は、両備グループの100周年を機にグループの経営理念を「忠恕」としたのは、このロボット時代を見据えていたのです。ロボット時代では、過去に経験のある人間の仕事は全てインプットさえすれば間違いなく働くようになります。既に囲碁や将棋では人間がロボットに敵わなくなっています。

ロボットができない仕事は、

1.人を思いやること

2.考えて仕事をすること

3.先手をとるこ

ということで、両備グループでは、「心ある多能工」にならねば21世紀は生き抜いていけないと分析しています。それで、経営理念を「忠恕」としました。ですから、今後の働くということは、「人にしかできない仕事」をするということで、ロボットにできない心を使って、考えて働くようにしなくてはなりません。

そして、一つのことしかできないと、これからの長い人生を生き抜いていけないでしょう。

例えば将棋ロボットに敵わなくても、次にそのロボットとオセロゲームで勝負すればロボットくんは訳が分からなくて動かないでしょう。多くのロボットは単能工なので、人間は多能工化することが21世紀を生き抜く秘訣だと思います。

両備グループには、「社員の幸せ=健康×能力×やる気+夢」という「社員の幸せの方程式」があります。しっかり多能工を育てていって、やる気のある人は、21世紀を人として幸せに生き抜いていけるように、キャリアアップしていけるように教育しますから、教育の意味をしっかり理解して、楽しくいろいろ学んでください。

人間集約産業に取り組む

両備グループの経営方針は明白です。「社会のために=社会正義」、「お客様のために=お客様第一」、「社員のために=社員の幸せ」を標榜し、両備グループは今後、「人間にしかできない仕事をしよう!」という決意のもとに、労働集約産業ではない、「人間集約産業」に取り組んでいきます

どうすればお客様が喜ばれるかを両備グループ10,000人の社員が一丸になって考える…すると、日本一素晴らしい企業グループになります。思いやりの心がCS(顧客満足)を磨くのです。そして、お客様がそれを認めてくださったら、そこに付加価値が生まれるのです。

両備グループは、基本的に長期雇用で働く皆さんの生活設計ができるように心がけていますから、不易流行で、流行りものの事業にはあまりスタンスはおかず、社会性の高い、市民の暮らしに直結した長期的な産業へとシフトしています。

退職率が低いことが強み

両備グループは、全国でも新入社員の「退職率が低くて素晴らしい」と誉めていただけるようになりました。

しかし、全国水準では大卒で約3割、高卒で4割も辞めていますが、両備グループでは全国の半分の2割で、新入社員の定着率が高いのです。

以前は、両備グループでも新入社員の退職率が高くて困っていたのですが、毎年、皆さんにこの入社式で、私とする3つのコミットメント(=約束)を守ってくださいと言うようにしたら、退職者が減りました。これからも全国にも誇れる定着率を目指していきます。

会長との3つの約束

新入社員の定着率が上がった一つの要因は、私と皆さんとの3つの約束の実行です。

第一の約束は、「思いやりを持つ」ということです。

私は皆さんに「忠恕」の心が持てそうになかったら、両備グループを希望しない方が良いですよ、とはっきり申し上げていますし、最近では就業規則にも盛り込まれて、理念だけでなく、雇用上の約束という強いものになっています。

「思いやりとは相手の立場で考えること」…忠恕という理念は、私が20年前、両備グループの代表になった際、あまりに企業理念が幹部・社員に浸透していないので、何とか一言で表現できる言葉はないかと考えあぐねていた時に、頭に閃いた2文字でした。

この言葉を調べてみると、両備グループの創業者である松田与三郎翁の戒名の一部でした。その戒名は、お坊さんではなく、与三郎翁が自ら思いを込めて創られたもので、「天海院忠恕一貫居士」と言います。平たく読めば、「空よりも高く、海よりも深く、真心からの思いやりを一生貫いた男です」との意で、まさに両備グループの理念をダビンチコードのように刷り込んであったのです。

先程もお話ししたように、両備グループが110年に亘り、今のように成長できたのも、忠恕の心で、社員を逞しく育てて、決して安易にリストラしなかったからなのです。

つまり、人材が余った時、他社では大抵リストラをしますが、両備グループでは100年以上、余剰人材を適材適所で活用するよう図ってきたため、不況の時にこそ大きくなったのです。

第二の約束は、「3年の我慢」です。

「桃栗三年、柿八年」、また、「石の上にも三年」と言うように、初心を忘れず、いろいろなことがあっても3年は辛抱してください。その代わり、両備グループは必ず3年で一人前になるように皆さんを育てあげます。

一般的に入社後2~3年間で30~40%も離職する原因は、

  1. 些細なことで叱られた
  2. 思ったような仕事でなく、やる気を失った
  3. 上司や同僚と良い人間関係が結べない

ということのようです。もちろん、不安もあるし、失敗して叱られることもあるでしょうが、3年は叱られることが仕事だと思ってください。

最初の危機は5月の連休です。ゴールデンウイークをしっかり乗り切ってください。久しぶりに仲間に会って自慢話等を聞くと、友人の仕事が「隣のバラは赤い」で凄く魅力的で頑張っているように感じて、自分は一体何だとブルーな気持ちになってしまうのです。これを5月病と言います。この5月病を乗り切ることが第一関門です。第二関門は夏のお盆休みです。

五日市剛さんという詩人が、「失敗と書いて経験と読む」と言っていますが、まさにその通りです。失敗して叱られたら、「有難うございました」と言える心の広い逞しさを持ってください。そこから本当の仕事が見えるのです。その前に辞めてしまうと、人生がいつもリセットされ、いつも振り出しに逆戻りとなり、進歩がなくなります。仕事は単純なことから学びますが、基礎・基本は仕事の土台で、まずは、単純な基本の仕事をしっかり身につけてもらわなくてはなりません。

社会人の一番大事なことは、職場の人間関係を築くことで、まず挨拶から始めよ!です。この挨拶という字に答えが込められています。挨拶とは、心を開くという意味で、まず自分から心を開いて飛び込まねば、挨拶にはなりません。心構えさえしっかりしていたら、仕事は楽しいものです。

両備グループの場合は、これから一年間、皆さん方のお兄さん、お姉さん的な先輩が指導員として、日々サポートしてくれます。皆さんも環境が変わって、仕事等で悩むことがあるでしょうが、指導員となった先輩がそれを親身に聞いてくれますので、何でも隠し事をせずに相談してください。必ず皆さんに正しい方向と対処の仕方を教えてくれるでしょう。

第三の約束は、「ご両親やご家族、先生方への感謝の念の発揮」です。

まず皆さんに思いやりを実践してもらいたいのは、皆さんをここまで育ててくださったご両親やご家族、先生方にお礼を言って欲しいということです。

今日、帰ってから、また電話でもメールでもラインでも結構ですから、「今日までありがとうございました。これから社会人として頑張ってやっていきますから、安心してください」と感謝の気持ちを伝えてもらいたいのです。

両備グループでは、まず「良き社員」の前に、「良き息子」であり「良き娘」であって欲しいと思います。

今までお世話になったご両親にお礼の言葉が言えなければ、見も知らぬお客様に思いやりの気持ちなど持てるはずがありません。皆さんは失われた20年が終わり、雇用環境の良い時期に就活をやってきた恵まれた世代で、新型コロナウイルスによる不況で就職難になる前に入社した大変運が良い新入社員と言えるでしょう。しかし、この「売り手市場」時代で就職した社員は、実は離職が多くなる傾向、すなわち、どこでも勤められるのではないかという錯覚から、甘い考えが芽生えやすいので要注意の世代です。まず、5月病にならないように気持ちを引き締めてください。

両備グループの原動力

両備グループの「忠恕」という経営理念や3つの経営方針を説明しましたが、両備グループには行動規範というものがあり、それは、「知行合一(良いと思うことは必ず実行する)」「すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!」です。良いと思っても実行しなければ何の役にも立たないのです。両備グループに口だけ社員は要りません。良いと思っても「すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!」には「覚悟」がいるのです。

21世紀の仕事の合言葉

両備グループが世界でも通用するようになったのは、実はその行動規範で経営判断のスピードを身につけ、早い実行を進めたからです。成功の秘訣は、「やるか、やらないか」で、「すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!」ことができるかどうかであり、また反対に「すぐやらないことが大失敗の原因」になっているケースが多いのです。

経営テーマ

事業を進めていくためには、時代、時代で経営テーマが必要です。

その経営テーマは、「安全、安心、エコで健康」と「AI、IoT、ロボット化」で、現状の事業の再編成と活性化を進めています。特に、全ての事業において安全を最優先にして、「安全こそがブランド」と決意していますので、最近は「ご安全に!」が両備グループの合言葉です。

両備グループは、この経営理念と経営方針、経営テーマに沿って、社会や地域の問題解決を図る提案型企業として成長していっているのです。CMソングで「まちは青春、花盛り~♪」と歌っていますが、花が咲いただけでなく、次世代の実をたくさんつけ始めています。

両備の経営の特色

両備グループの伝統でもあり、個性でもある信託経営や、労使‘強存強栄’の思想と、新しく構築してきた能力主義的安心雇用、そして、グループの各種委員会やグループ監査本部の設置等の経営システムの整備も進め、徐々に大手に負けない企業体質を作り上げていっています。

今日ここに、皆さんの入社を祝って集まってくれているグループ各社、各カンパニーのCOOの皆さんは一般企業では「社長」であり、経営の執行を全面的に任せて、全社独立採算で自立しているため、ほとんどの会社が黒字です。全国でもほとんどが黒字の企業グループは珍しいでしょう。それぞれの企業とのグループシナジーの発揮が、逞しい成長を実現しているのです。

企業即教育体

両備グループは教育産業かと言われるくらい、色々な教育を実施しています。

両備グループヒューマントレジャーセンター(HTC)、両備グループSSP-UPセンターと両備健康づくりセンターを中心に各社の専門教育で、人間として、社会人として、専門性のある社員として教育していきます。

新入社員教育から先輩が指導員としてついてくれ、仕事のみならず人生まで同じ目線で相談にのってくれます。

逆境を跳ね返し夢ある社会人になろう!

今年の経営理念は、

一、一流を目指し、次代を創る

一、明るい職場でワンチーム!

です。

今年の7月31日で110周年を迎えます。

地方企業を超えて上場企業なども含め全国で比較してみても業績だけでなくそれ以上に将来の夢のある事業グループに育ってきたと言えるでしょう。両備グループは大企業ではありません。大企業になりたいとも思っていません。「ユナイテッドカンパニー オブ チュウショウキギョウ」であり続けようと思っています。一つ一つは中小企業の効率を維持しながら、グループ全体では大企業に負けない企業力、信用力、ブランド力をつけていこうと思っています。両備グループは大企業のガバナンスのように株主に配当だけすることが目的ではありません。経営方針の「社会正義」で社会のために、「お客様第一」でお客様のために、そして結果として社員が幸せにならなければならないという「社員の幸せ」のためにも、利益のために社員のリストラをするような大企業や上場企業になりたいとは思っていません。誰しも社会人になって幸せな人生を送りたいと思っていると思います。

しかし、雇用を守るから業績が悪いと言われては片腹痛いので、それぞれの企業が一流になれるように頑張って次の時代を創っていきたいと思っています。

ですが、会社が守ってくれるからと甘えた社員になってしまっては一流の会社にはなれません。なぜなら皆さんが一流を目指してくれてこそ、一流の企業になれるのです。

一流になるのは、まず仕事がやる気になる「明るい職場」を創ることです。そしてワンチームになって進むことで、荒波も乗り越えられる逞しい社会人になれるのです。

一緒に両備グループの黄金期という夢を実現しよう!

両備グループは今まさに果敢に次代を創るためにグループ企業の再編成をしています。

この1月にはICT部門6社が合併し、新生・両備システムズがスタートし、タクシー部門、フェリー部門と再編が進んでいますが、これは積極的投資と拡大、全国から世界への市場の拡大を目指せる企業体質に強化を図っています。

今までは小さな効率的な企業を作って、黒字の自主自立を図ってきました。しかし、日本の少子高齢化社会を脱却し、成長軌道に乗せていくためには、企業の強さ=企業力と企業体力が必要です。他の企業での再編はリストラ目的ですが、両備グループはリストラせずに余力を作りその力で次代の事業構築を果敢に進めていきます。これからの社会は当たり前のことができずに、人がやっていることだけをやっていては「より良く働く」ことにはならないでしょう。

何故黄金期が創れるかです。それは、

  • 人財が育ってきた。
  • 会社の理念、方針が明確で、会社組織も能力主義的安心雇用で若手も熟年も年齢に関係なくリーダーが選ばれ、任されることでスピード感をもって思い切って働ける。
  • これからの業種のキーは農林水産・鉱工業というモノづくりと人・ものを運ぶ交通業とそれらを結びつける情報業の三つの融合です。両備グループはこの三つのキーを持っており、生活総合産業としての45社のノウハウをAI・IoT・ロボット化することができる最先端の距離にあるといえます。
  • 伸びる地域である首都圏、関西圏とアジアに拠点を置き、今後の市場拡大が図られる

の4つのファクターが揃ってきたからです。

人生はたったの一回、さてこれをどうやって生きるかです。失われた、あまりにも長かった「20年」で多くの日本人が夢を失い、夢を持つことをためらい、大きな夢を語ることが恥ずかしく、実現可能な小さな夢を追い求めるというような風潮になってしまいました。そして、世界のエンゲージメントランキングで日本は何と、世界139カ国中132番目にしかランクされない国となってしまいました。国会では揚げ足取りが蔓延し、国会やマスコミは些細な重箱の隅を突っついて大騒ぎをし、ネットでは匿名で他人を攻撃する、世界で最もやる気のない上に、働いてお給料をもらっている会社にも悪さをする社員が4分の1もいるというとんでもない国になってしまいました。両備グループは、こんな国の呪縛から逃れ、多くの夢を実現していっています。「小さな幸せ」も大事ですが、どうせ生きるなら夢ぐらい「ワクワクする夢」を持とうではありませんか!

昨年3月には、世界で初めてアニメの世界の電車たちが「おかでんチャギントン電車」となって岡山の市内を走り回り始めました。電車のMOMOやKURO、たま電車やたまバス、SAIBUS(さいバス)やSOLARVE(ソラビ)など楽しい電車やバスを開発してきましたが、その中核になる「おかでんチャギントン電車」が現れて街は一変しました。

また、昨年5月には子どもも楽しいクルーズフェリー「おりんぴあどりーむ せと」が小豆島航路に登場しました。遊園地に楽しい乗り物があるのは世界中どこでもですが、楽しい電車やバス、タクシーがリアルな街や海を走り回る乗り物のテーマパークのような楽しい都市は世界で初めてです。

そして、まちづくりでは地方都市では最大となる「杜の街グレース」が進んでいます。21世紀のスマートシティー造りをめざします。トランスポーテーション&トラベル部門とまちづくり部門がコラボレーションして「歩いて楽しいまちづくり」の一環で「楽しい乗り物」で「子どもも楽しいまちづくり」を実践しています。

ICT部門はラオスにも進出し、日本で培った情報技術でアジアにチャレンジします。今後、社会のキーポイントはAI、IoT、ロボット化に結びついた輸送とICTです。

くらしづくり部門はトランスポーテーション部門、ICT部門、まちづくり部門と一体になり、新しい暮らしを提案し創り出していきます。

両備グループの幅広い業種に展開した起業力が無限の可能性を秘めています。

皆さんも「夢を持ってもできっこない」と思い込んでいませんか?

実は、できると思って実行すればできるし、できないと思った瞬間、できる仕事もできなくなるのです。

私が三毛猫の「たま」を駅長にした時、「猫に駅長なんかできっこない」「子どもを引っ掻いたらどうする」「死んだらどうする」とマイナス思考の意見ばかりが聞こえてきました。しかし、たま駅長は見事に人間にもできない猫駅長を務めて、世界一の働く猫となり、猫社会の復権を世界中で果たしてくれました。猫や犬も大事にする社会が生まれて、多くの捨て犬や捨て猫が助かっています。「たま大明神」の部下として両備グループにいる8匹の猫社員のうち、一番若手の夢二郷土美術館のお庭番 「黑の助」は、猫にはできないだろうと言われていたお手やお座り、ボール拾いを、遊びながらすぐ覚える利発な猫社員で人気者になっています。

そして、地方の経営者にできっこないと言われた公共交通の再生や、国の法律制定に尽力した結果、新しい法律を創ることができ、多くの地域公共交通を救う基盤が整いつつあります。

両備グループは、会社が儲けることだけが目標ではありません。目的は社会のため、お客様のための仕事を通じて社会に貢献し、その結果として頑張った社員の皆さんが「幸せ」になることなのです。社会や皆さんを幸せにする原資として、まず、事業の収益を上げなくてはいけません。

「夢」という目標を持って、頑張って達成した時に、「できた!」という幸せ感が生まれるのです。

将棋の神様とも言われた大山名人の名台詞で「着眼大局、着手小局」という言葉がありますが、着眼大局、即ち大きな夢や着眼点を持って、できること即ち小局から始めるのが成功の秘訣の一つです。

両備グループの「社員の幸せの方程式」の「夢」は、目標であり、方向性であり、意識なのです。昔から「心ここに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえどもその味を知らず」と言います。夢や目標がない人にはチャンスが見えないのです。人生は一度きり、これから社会人として50年以上あるのだからボツボツやろうと思っている人はいませんか?「失った時間はもう二度と戻って来ない」のです。夢を持てないロボットたちと違い、皆さんは「夢を実現することが仕事」であり、「夢なくして、していることは作業」です。作業でなく仕事という気持ちを持たなければロボットに勝つことはできません。

「人生を決めるのは皆さん一人一人」なのです。何事にも「本気、根気、やる気」で素晴らしい社会人としての一歩を踏み出してください。

今日は皆さんに素晴らしい楽しみをプレゼントします。皆さんに「両備フレッシュパスポート」を差し上げます。6月末まで和歌電や岡電の楽しい電車たち、東京湾の御座船、神戸ベイクルーズ、「おりんぴあ どりーむ せと」をはじめ岡山-土庄航路のフェリーたち、夢二郷土美術館、夢二生家記念館・少年山荘の入館券、ひるぜん塩釜キャンピングヴィレッジや岡山ガーデンの食事券等々、両備が実現した夢の数々にご家族、友人、恋人とお二人で触れあってみてください。

皆さんも今日から社会人になったことで、しっかり将来の夢と目標を持ち、人の心を慮り、人の痛みが分かる忠恕の心を身に着けて、「逆境を跳ね返し夢ある社会人になりましょう!」

両備グループは皆さんの幸せのために、一生懸命サポートし、夢の実現に頑張ります。

両備グループ

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