尾上線の延伸と「尾上かみ」バス停新設!

岡山電気軌道
社長 小嶋光信

全国的に珍しい地方都市の郊外へのバス路線の延伸と新バス停「尾上かみ」が岡山市で実現しました。これは、6月の「津島南」新バス停への500㍍延伸に続き岡電バスで二例目となります。

実現できたのは、主要地方道妹尾御津線の道路拡張整備が岡山市において行なわれ、大型バスの通行が容易になったことにより、地元の尾上町内会が岡山市に「現在運行している岡電バスの路線を伸ばして欲しい」と要望されたことに応えたものです。

尾上町内会では近隣に病院や商業施設がなく、その上高齢化していく地域における通院や買い物のための生活交通手段がなく、何とか公共交通機関をという強い思いから要望されました。

その話を受け岡山市道路計画課の方と岡電との間で協議し、岡山市がバスの方向転換場を整備してくれることになり実現しました。

当初は本年4月1日よりの運行を目指しておりましたが、昨年7月に発生いたしました西日本豪雨の関係で埋め立てにおける擁壁等の工事が遅れ、7月20日の運行開始となりました。

「尾上かみ」「尾上しも」の停留所については、地元の方に親しみを持ってバスをご利用していただくため、町内会のご提案を採用させていただい決定したものです。

地元の町内会長を中心に「路線をせっかく延伸していただいたのだからバスを利用していかなければ、この路線は赤字となり岡電は民間会社なので当該路線を維持できなくなってしまう」と言って下さって、「バスに乗って買い物に行こう。病院に行くにはバスを利用しよう」とキャッチフレーズまで考えてくれました。

当日は「嬉し涙」の雨の中、大勢の町内会の皆さんと関係者が集まって明るい希望に満ちた新規開設の式典のあと試乗会を賑やかに行ないました。

地域の熱意と岡山市の協力で実現した全国的に珍しい地方都市の路線バス郊外線の延伸と新バス停が、「乗って残そう公共交通」の好事例として地域の皆さんのお役に立ち、これからも愛されるバス路線として長く維持できるように共に協力しながら育てていきたいと思います。

概要
・現行の尾上バス停から北に0.6㎞延伸
・新設バス停「尾上かみ」/ 現行バス停「尾上」は「尾上しも」に改名
・運行系統及び回数
  尾上かみ~岡山駅西口 平日11.0回、土日祝10.0回
  尾上かみ~岡山駅西口~天満屋 平日2.5回

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