和歌山電鐵 社長 小嶋光信
角川つばさ文庫さんから「たま駅長」の物語の執筆を依頼され、こんな素晴らしい話をぜひ子ども達に読んで欲しいと、たま駅長になりかわって心を込めて書きました。
7月15日の発売にあわせて貴志駅でニタマ駅長と出版記念サイン会を行ないました。
ニタマ駅長も大先輩のたま駅長の出版記念サイン会なので、気合いを込めてたま駅長の判子をせっせっせと押していました。
あとがきに書かせてもらいましたが、「世にも不思議な物語」といいますが、三毛猫のたまちゃんに会った時から約10年間は不思議なことが次から次へと起こって、あっという間におんぼろのびんぼうな鉄道が日本中、世界中で有名になり、楽しい、楽しいひと時を一緒に過ごすことができました。
その10年間に起こったいろいろな出来事を、主人公・たまちゃんとの話の合いの手として、たまちゃんと大の仲良しだった、お向かいのたこ焼き屋のワンちゃん「レオ」と、いつもしっぽをフリフリしていたセキレイの「おまっちゃん」が務めてくれました。
私もたまちゃんを猫と思ったことはありませんし、たまちゃんも私を同じ仲間だと思ってくれていたようです。たまちゃんも私の言っていること、思っていることを分かってくれていましたし、私もたまちゃんの言っていることも考えていることも多くは分かっていました。本当に息のあったコンビとして一緒に仕事ができました。
ちょっと心残りなのは、病院にお見舞いに行った際、たまちゃんが「抱っこして!」と両手を差し出したときに抱いてあげられなかったことです。しかしそれも、私が思い出して悲しんでいるときに、たま大明神という神様になって抱っこさせてくれる思いやりを見せてくれました。
たまちゃんもびんぼうな鉄道の駅長さんのお仕事が大好きで、いつもお客様に楽しんでいただくとうれしそうにしていました。だんだん偉くなると、ちょっとお仕事をサボったりしましたが、何故か私が乗っている電車が分かるのか、電車が着くころにはスックと起きて私の眼の前ではバレないように、せっせ、せっせと帽子をうれしそうにかぶってお仕事をして見せてくれました。お仕事をサボったのが見つかると、シマッタ!というバツの悪そうな顔をしたのも、本当に可愛いい仕草でした。
このたまちゃんのお話を書いている間も、たまちゃんの思い出が次から次へと浮かんできて、「もっとこれも書いてニャン!」という声が聞こえてくるようでした。
びんぼうで無くなる寸前だった地方鉄道に奇跡を起こして救い、猫の可愛さや素晴らしさに気付かせて、犬が大人気の時代から猫の時代を切り開いてくれて、鉄道も猫ちゃんも、ともにたまちゃんに感謝です。
読んでくださった皆さんにも、たまちゃんの心のこもったこのお話「おもしろかったニャンゴか?」という声が聞こえてくるかもしれません。
皆さんもニャンちゃんやワンちゃんを可愛がってね!
この物語を最愛のパートナーだったたまちゃんと、たまちゃんを一生懸命育ててくれた「おかあさん」の住友さん、そして、たまちゃんを心から愛し、可愛がってくださった皆さんに捧げます。
きっと大人も子どもも楽しめる楽しい、楽しい、胸にジンとくる、思わず涙する本になっていると思いますので、ぜひ読んでみてください。
2016.07.15
和歌山電鐵
たま大明神の氏子より
【登場人物】
三毛猫のたま・・・主人公の駅長になった猫
お母さん・・・たまちゃんを育ててくれた駅の売店のおばちゃん
ミーコママ・・・たまちゃんの生みの親
レオ・・・たまちゃんの仲良しのたこ焼き屋のワンちゃん
しりふりおまっちゃん・・・たまちゃん、レオと仲良しのセキレイ
社長さん・・・たまちゃんを駅長にしたびんぼうな鉄道の社長さん
専務さん・・・びんぼうな鉄道の専務さん
広報のおねえさん・・・びんぼうな鉄道のネズミのように動きまわる広報のおねえさん
課長さん・・・びんぼうな鉄道の課長さん
秘書さん・・・たまちゃんのマント等を作ってくれた秘書さん
元・校長先生・・・貴志川線の未来をつくる会の会長さん
その他・・・びんぼうな鉄道を愛してくれた貴志川線の未来をつくる会のメンバーや、沢山の利用者やマスコミの皆さんたち
特別ゲスト
知事さん・・・たまちゃんの鉄道が走る県の知事さん
市長さん・・・たまちゃんの鉄道が走る和歌山市と紀の川市の市長さん