2010.03.11
両備グループ
代表 小嶋光信
今年の1月、両備グループの旅行代理店業者、中国トラベルの協力会(観光施設などのお取引先で構成されている会)が開催され、その懇親会の席上で、協力会の世話人会代表の方々が、「我々は、こうやって食事をするよりは、両備グループの営業や企画担当の社員を呼んでもらって、是非商談会をしてほしい」と心から絞り出すような悲痛なお願いがあった。
観光市場の半分が海外に移り、円高で海外とのコスト競争で安値受注を強いられている観光旅館さんたちの苦境は、痛いほど分かる。勿論、我々観光バス業界も右にならいのうえ、さらに規制緩和での過剰増車で、完全な過当競争にまみれて、業界全体が赤字になってしまっている。更に、土・日、祝日の多客日に実施された高速道路1000円問題が追い討ちをかけた。
何とか観光旅館さんのために少しでもホッとする名案はないかと考えて、今回の観光旅館公開プレゼンテーションコンテストを企画した。全国では初めての企画で、優秀なプランは両備グループで積極的に販売する事がお約束だ。
事業というものは、他力本願でなく、自らが必死に守っていくもので、観光旅館の皆さんも必死に知恵を絞って、あの手この手を考えて手を打っておられることを知っていた。勿論、矢折れ、力尽き果ててしまった施設もあるが、まだまだ日本の観光旅館のレベルは、世界に誇れるものだと信じている。
やってみたら、短い準備期間にもかかわらず、楽しく、素晴らしいコンテストになった。
これだけのアイデアと努力があって日本の観光旅館が駄目になるはずがない。そのためには企画、販売側の我々が、もっと彼らと一体になって、ただ安いツアーを作るのではなく、価値を売り込めるツアーを創ることだと決意した。
さて、地域再生の切り札として、如何に観光を再生させるか、必死にチャレンジだ。