両備くせもの塾開講!

両備グループ代表:CEO
小嶋光信

私が両備グループの代表になった13年前に、グループの企業力を徹底的に分析してみました。もちろん財務的に分析したり、業種上の優劣の把握や、社員・幹部の能力、資質を調査したりしましたが、それらの分析をして面白いことに気が付きました。

両備グループの業種には「交通運輸観光」部門、「情報」部門、「生活関連」部門の3つのコアがありますが、共に言えることは労働集約産業だということです。知的であるか、汗水たらすかどちらにしても、付加価値は人が働くことから生まれるので、言い換えれば「人」しかできないという仕事が中心だということです。

そこで両備グループにとって大事なのは人であり、人材であり、人財が入れば栄え、人罪が入れば滅びるという当たり前の構図が見えるのです。

さらに、一人あたりの利益額と率を算出してみて、面白いことが分かりました。一人あたりの経常利益が1000万円を超えている事業所から、赤字まで様々です。一番利益をあげているのは何と高松の住宅部門と不動産部門の事業所でした。次に多いのは空調関係の設備業で一人当たり5百万円を超えています。共に成熟産業で、一部は構造不況化しています。情報系は150万円前後、交通運輸事業は、20~30万円の年間利益の確保も厳しくて、凄いバラツキです。厳しい業種の一つである物流でも、しっかり収益をあげている事業所もあります。

その分析でわかったことは、

  1. 一人あたり経常利益でみると、好況業種、不況業種というのは言い訳で、「儲けられる管理職が経営すればどんな仕事でも儲けてくる」、「儲けられない管理職が経営すれば、儲かる仕事も赤字になる」ということでした。
  2. その儲けてくる管理職のタイプは、学歴や年齢に関係なく、極めて専門性が高い職人気質で、自分の経営とノウハウにこだわりがある、いわゆるくせ者です。
  3. 組織の大きさは10人以下で、小さいほど効率が良い。
  4. 社員への指示が、例えば売上何%アップなどという平均的な数字でなく「Aさんは目標いくら」、「Bさんはいくら」と能力に応じた的確な指示を与えている。

という特徴がありました。

すなわち10人以下のこだわりの組織を、職人気質で使命感の強い管理職で作れば、どんな仕事も高収益を出せる事業になる可能性が生まれ、まさに小集団のリーダー如何で企業の盛衰が決まることが分かりました。

逆説的にいうと、大企業病は何百人、何千人の大きな組織でなるばかりでなく、10人を超えて平均的数字で管理するようになると生まれる組織病だと分かりました。いかにこの儲けられる管理職を育てるか、小集団にして積み上げる組織を開発するかが、企業力アップには急務です。

そこで、それらの人材を育てるために、両備のくせ者たちを先生にして、次代のくせ者を育てることにしました。そのために、その最右翼のくせ者、両備ホールディングス不動産、福祉担当常務の小山さんに任せて「両備くせもの塾」の塾長として、講師のくせ者の選任と、塾生の発掘をしてもらいました。

「くせもの」の定義は、

  1. 同業と比較して著しい経営成果をあげた者
  2. 独自の経営哲学とノウハウを持っている者
  3. 強い使命感を持って事業を断行している者

の3つです。

両備グループには多くのくせ者がいますが、第一陣として8人の講師を選任し、9人のくせ者予備軍を受講者として、15日に開講しました。

この8人のくせ者先輩の話を聞いて、よし私はこのくせ者先輩に教わろうという者は、その先輩に弟子入りして、マンツーマンの指導を受けて、その先輩から素晴らしいノウハウと経営哲学とを盗み取ってもらうことにしたのです。

さて、どれだけ次代のくせ者を育てられるか、楽しみです。


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