Message代表メッセージ

2012.02.07

「日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生」 2月15日学芸出版社より発売

両備グループ代表・CEO

小嶋光信

たま駅長の起こした奇跡、水戸岡デザインの電車秘話、電車・バスの再生から地域再生の軌跡が満載の「日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生」が2月15日学芸出版社より拙著で発刊されます。

今まで地域公共交通の実態を少しでも知っていただこうと、講演や、専門誌に寄稿はしていましたが、纏まった形で出版はしていませんでした。ところが、講演先や聴衆の皆さんから出版はしていないのかというお問い合わせがたくさんあり、ちょうど学芸出版社さんからも出版のお誘いをいただきましたので、仕事の合間に原稿を書きました。学術書のように堅くならず、楽しく読んでいただくようにまとめてみました。

  1. たま駅長誕生の秘話から「客招き」効果が巻き起こした数々の奇跡が満載です。
  2. 水戸岡デザインの両備グループの電車、バスや旅客船の開発が満載で、水戸岡マジックが分かります。
  3. 地域の電車や路線バスの再生から地域再生までの具体的な軌跡が具体的に分かります。行き詰まった地域公共交通を救うための法改正が必要で、地域公共交通活性化法から審議入り待ちの交通基本法までの経緯が良く分かると思います。

きっと皆さんがご苦労されている地域公共交通の活性化や地域づくりの具体的なヒントになると思います。

和歌山電鐵のネットショップ<いちご電車グッズショップ>か、全国約400の書店(ネット書店含む)でお求めいただき、ご笑覧いただければ幸いです。

本書発刊の真意は、苦境に立つ地域公共交通の本当の病巣は何かを知る人は少なく、将来が危ういことを知っていただきたかったことにあります。
まさかと思われるでしょうが、先進諸国で地域公共交通を民間に任せ切ってしまった国は日本だけという現実を知らずして、本当の地域公共交通の再生はできません。

和歌山電鐵や中国バスの再生と、その公設民営のモデルになった津エアポートラインなどの具体的な経営をもとにして、どうしたら地域公共交通を地域づくりの観点から救うことができるのか、ドキュメンタリーも含めて現場サイドの実体験から纏めてみました。

両備グループとして私が携わった交通運輸事業の再生は、旅客船事業2社、新設1社、鉄道事業1社、バス事業1社、物流事業5社、タクシー事業5社と多岐にわたり、規制緩和後の交通運輸事業の衰亡の現実に立ち向かい、再生してきた現場から、多くの規制緩和の功罪を体験してきました。

現場に立脚した政策や、コンサルティングや学術論が少ない業界で、再生の経験から、今回は規制緩和後の公共交通の経営環境の変化と課題を、実例をもって論じていきたいと思いました。

両備ホールディングスのホームページのトップにバナー告知で、「交通基本法案が平成22年3月8日付、閣議決定されました。政局が混迷していますが、与野党の先生方も地方の苦境をお分かりなので、本法案は、政争の具にはならないと思います。良い流れですが、気を抜かずに頑張らなくてはなりません。基本法に関連法案と財源がセットになってはじめて地域の公共交通が救われるのです! 延命型の公共交通政策から、夢のある“エコ公共交通大国”に向けてのギアチェンジが必要です!」など、現状の課題をお伝えしたことや、現状必要なアクションとして各政党や行政に交通基本法の成立促進や、地域公共交通の実情の意見や陳情をするようにお願いしたところ、全国から多くの共感や、陳情・要望を各方面に寄せていただいて大変に感謝しています。

実際に公共交通を必要としている交通弱者の皆さんは、公に意見を言うことが出来にくい年齢やポジションにおられるので、常に声なき声で、誰かが代弁しなければ社会のミスリードになってしまうので、皆さんの声は大変貴重なものでした。瀕死の状態で延命している多くの地域公共交通業者にとっては、交通基本法が早く成立し、予算が確保されて、将来の事業の方向性を一日でも早く夢と期待のもてる事業へと転換することを願っていると思います。

本書が、元気なまちづくりで、地域の誇りとそれを支える地域の公共交通を救う一助となれば幸いです。

「日本一のローカル線をつくる」たま駅長に学ぶ公共交通再生

「日本一のローカル線をつくる」たま駅長に学ぶ公共交通再生
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