両備グループ代表兼CEO
小嶋光信 (岡山県旅客船協会 会長)
毎年5月5日の「こどもの日」を日本旅客船協会加盟の66社80航路で子供の無料ご招待をしています。
日本は海洋国家で、四方を海に囲まれていることで、安全で素晴らしい気候や海の幸にも恵まれているだけでなく、資源の乏しい国ながら世界で最も優れた資源を海上輸送で輸入できるといった経済面でも強みを発揮して、資源の乏しさというハンディキャップをむしろ強みにして繁栄してきたとも言えるでしょう。
しかし、本州と橋やトンネルで北海道、四国、九州が陸続きとなり、特に3本もの橋でつながった本四間では大きくその航路を狭まれてしまいました。
子供たちも普段から海に接することが少なくなり、海水浴もプールとなると、海洋国家を担っていく子供たちが、海に囲まれている日本の本当の姿が見えなくなってしまうのでは、海の本当の素晴らしさや潮干狩りや海上レジャーの楽しさなどからどんどん遠ざかっていってしまうのではないかと心配しています。
この海の素晴らしさや旅客船での船旅の楽しさをなんとか体験してもらおうと、日本旅客船協会の有志でこどもの日無料ご招待を始めて4回目になります。
年間では、夏休みに入る前の「海の日」にも子供無料ご招待をしています。
岡山県旅客船協会でも、6社10航路が各社趣向を込めて取り組んでいます。
両備グループでは、両備フェリー、国際フェリー、瀬戸内観光汽船、津エアポートライン、神戸ベイクルーズ、御座船安宅丸で実施しました。
両備フェリーでの記念行事では、鯉のぼりを掲揚して、三毛猫の「SUNたまたま」の友情出演で新岡山港の1日所長として「こども1日船長」を任命して頑張ってくれました。SUNたまたまも「かわいい!」「可愛い!」とみなさんに言われて満更でもない顔つきで、結構長い時間の行事でしたが立派にやり遂げてくれました。
今年はタッチングプールや、鯉のぼりの塗り絵など恒例の行事に加え、あらたに船上でかもめの餌やりを体験してもらおうと、数日前より船からパンの耳を投げてなつかしていましたが、気まぐれかもめのことでもあり、また渡り鳥としてそろそろ移動の時期なので、ドキドキしながらやってみました。
三世代での船旅や、家族でサイクリングで船に乗り組んでいただいたり、楽しい船旅と海との触れ合いが、お天気にも恵まれて楽しんでいただけたのではと思います。
また7月の「海の日」にも取り組みますので、ご期待、ご参加ください。