「両備グループフェア2013―お仕事たんけん隊―」秘話!

両備グループ代表:CEO
小嶋光信

両備グループには、正式な役員であるシニアボードに対して、これからの両備グループをリードしていくであろう若者を中心に結成されている両備グループ青年重役会(ジュニアボード、略してJB)があります。この制度は、もともとアメリカのマコーミック社が行なっていた若手管理職養成講座ですが、両備グループ3代目のトップ、松田基さんが、30年代後半にアメリカ視察から持ち帰り、以来連綿と続いているグループ若手幹部の実践的養成機関です。また、両備グループ経営管理基礎講座(通称両備大学)の上級機関で、両備大学院とも言っています。
任期は1年で、両備グループ内の問題や将来の事業などの研究と提言、海外視察によるグローバルな視野を育てるように運営しています。

その相談役の一人が松田専務であり、同年代ということもあり、一緒に色々な相談に乗ってあげていますが、昨年秋に、今期のJB議長の清水さんにグループシナジーをあげるために両備グループが一堂に会した両備フェアの開催を提案しました。

普通なら半年もない期間で、「時間がない」「お金がない」「グループシナジーなど労の割に効果が少ない」などなどシニアボードのおじさんたちから総反撃を受けるこのような大イベントに普通なら尻込みするのですが、両備グループ一のお祭り男でもある清水議長は、半分渋るJBチームを纏め、シニアボードのおじさんたちにボコボコにされながら、必死に実現に向けて進めていました。

彼の所属する両備商事は、私の家のある番町にあるため、時々朝の出勤時に顔を合わせますが、年末から新年に向けて日に日に顔が歪んでいくのが見て取れました。
両備グループのネクスト100年には、どうしても真面目、誠実だが手堅すぎて中々思い切った事業開発が出来ず、やや守りに入った両備グループ各社の体質を変えるには絶好のイベントです。「守って勝った大将なし!」と号令しながら、この閉塞感漂う日本で、首都圏進出、アジアへの展開と元気な企業づくりを進めていますが、「KiraRi☆(キラリ)」という女性の活動グループや若者の台頭の芽も出ています。

我々のグループCOOを集めての戦略会議である両備会で、JBの皆さんが必死に説明しても、あまり反応しないシニアボードの気持ちをまとめるために敢えて「良いじゃないか! この若者中心の両備グループフェアに協力してあげてください。反対な者は挙手しなさい(笑)」と言いました。しかし表向き反対する者はいませんし、決まるまではみんな好きに意見を言いますが、両備グループの良さは、やるとなると一致団結できるところです。
両備グループ8000人を超える社員の中で、ただ一人白いセルロイドの眼鏡をかけている清水議長に、「頑張ってやりなさい! ただ黒字になったら黒縁の眼鏡、赤字になったら赤縁の眼鏡に変える意気込みでやりなさい!」と背中を押してあげました。

その後は一切何も言わず、何も干渉せず、尻だけ拭く覚悟で、果たしてコンベックス岡山という巨大な施設で上手くいくか当日まで見守っていました。
途中で、初日の私の講演や「日本一のローカル線をつくる」という著書の直売とサイン会などの奇抜?な企画が出てきて、私でパンダ役になれるかな、サイン会なんかはサクラだけかもしれないとも思いましたが、一切注文を付けませんでした。本当は両備グループデザイン顧問の水戸岡さんの講演をお願いしたかったのですが、海外への所用で無理と分かり、翌日も私と松田社長と松田専務の三代の両備グループの未来を語るというトークイベントが予定され、両備グループ顧問である野中ともよさんを招き、コーディネーターのパンダ役として花を添えていただきました。

当日の3月8日は予想に反してお天気に恵まれ、指定の時間に会場を覗いてみると広い場所が、わがグループの幹部を中心に大勢のメンバーで既ににぎわっていました。正直仕事の忙しい平日の昼間にこれだけ幹部社員が割けるのかとやや心配になりましたが、みんなキビキビと準備をしていました。
朝の10時の開場に向けてお客様が並んでいらっしゃって、寒い中を申し訳ないと思いつつ、お客様に冗談を飛ばしながら挨拶して、ダジャレで楽しいフェアでリラックスしていただこうと、たま駅長代理と大会幹部と並んでお客様をお出迎えしました。

開場すると同時に熱気、熱気、熱気で、岡山高島屋のブースは1時間もたたないうちに堂島ロールなどの目玉商品が完売、普段あまりニコニコしない各社のシニアボードの皆さんも、楽しそうに自分たちの企業説明、商品説明やイベントをこなしていました。中には大したことないと見くびっていたのか、他社のブースをみて、あわててバージョンアップする会社もありました。

目玉の一つがバーチャル社員「七葉院まゆせ」さんの入社式で、仕掛け人のリョービツアーズの小童谷専務の説明と進行により行ないました。たま駅長やニタマ駅長など両備グループを代表する猫社員にはたびたび発令をしてきましたが、バーチャル社員への辞令交付は初めてでした。事前に見せてもらっていたので、辞令を受け取るポーズと辞令のアップを加えてもらって、ワクワク、ドキドキの辞令交付になりました。発令後のまゆせさんの挨拶、両備グループのコマソン「街は青春」を両備グループのオルケスタ・デ・ブルースプリングスの生演奏で歌って踊る姿は、ビッグな社員がまた一人増えたな、おまけにサラリーも要らないなと思わずニンマリしました。

自分ながらびっくりしたのが私の講演に座っているお客様の数倍の立ち見で、立ったまま申し訳ないなと思いつつも、たま駅長誕生秘話や、両備グループのお元気秘訣などをお話ししました。講演後のサイン会で、さて何人の方が私の本を買ってくれるかな、お義理のサクラの皆さんかな、それとも誰か請求書のサインを取りに来るのかと思いつつサイン会場に座ると、なんと長蛇のお客様で、30分の予定が45分ものサイン会になりました。

翌日は土曜日という曜日とお天気に恵まれて、決して足場の便利で無い早島のコンベックス会場に人の波が次から次へと押し寄せてくれていました。
「お仕事たんけん隊」の目的の第一である、地域の皆様やお取引先や社員のご家族と子ども達に両備グループの仕事を知ってもらおう、楽しんでもらおうという試み・イベントで、会場中に子ども達の喜びの声が、彼らJBの努力と成功の象徴としてこだましていました。

fair4

両備グループ