和田コーポレーションが両備グループ入り

両備グループ代表兼CEO
小嶋光信

一年くらい前、ある金融機関を通じて和田コーポレーションの後継者問題で、事業継承先として両備グループで如何かという話がありました。
不動産事業も長年営んでいる安定した地元の企業へということで、両備グループの名前が挙がったようです。

和田コーポレーションは、岡山市内でも多くの素晴らしいマンションを好立地にスピーディーに展開して、名前は良く知っていましたし、1998年創業以来短期間に業容の拡大を図っているので、大いに関心がありました。

しかし、その時は両備不動産でもマンション事業をしており、同業種の新たな事業継承の魅力は感じなかったことと、和田コーポレーションのマンション事業は、和田社長の強力なリーダーシップ在ってこその業績であり、当時は和田社長が資本提携後も引き続き事業を見ていただけるか定かではなく、断念した経緯がありました。

両備グループは、昨年から、大企業並みの企業体質を創る三か年運動を展開中で、今年に入って、我々の同規模の私鉄系グループの業績と、両備グループの業績を比較していました。その結果、両備グループの不動産部門の売上、利益が同業種において極端に少ないことが分かりました。これがバブルにも引っかからなかった堅実経営に繋がっていたのですが、今後を考え、「まちづくり」を本流とする事業としては、少なくとも同業種程度までの事業規模までキャッチアップするという経営戦略に方針を変更しました。

そして、今年に入って、今後の両備グループの不動産事業の経営戦略をどのようにしていくか思案していたところ、ふと和田コーポレーションの事が頭に蘇ったのです。

両備グループの不動産部門のスピード感や成長性に対して、短期間に企業を立派に育て上げた和田社長の手腕に大変興味を惹かれ、再度調べなおしてみました。

我が社のマンションの取り組みと和田社長の取り組みを比較してみると、土地の取得の上手さ、ブランドの絞り込みの分かりやすさと開発のスピード感で、我が社も見習わなければならないところが多々あることが分かりました。

かなり時間が経っていましたので、話がつながるかと思いましたが、担当責任者を通じて紹介してくれた金融機関から事業継承の引き受けを打診していただくと、ご縁とは不思議なもので、待っていてくれたように、話がとんとん拍子に進みました。

和田社長も何らかの形で会社に残ってくださるということで、どのような形で会社に残っていただけるか、最後に私が和田社長に会って決めようと思っていました。お目にかかった瞬間、心身とも健康で事業意欲も旺盛だと分かりましたので、やはり和田コーポレーションの社長は和田さんであることが会社の発展に必須であると思って、社長で続投していただきたいとお話ししました。それまで誰にも話していなかったので、和田社長も瞬間びっくりされたようでしたが、「え、社長ですか」の一言でご快諾いただきました。

もちろん、和田社長が丹精込めて育てた会社ですから、会社名、バッジ、『ロイヤルガーデン』のブランド名も、敬意を表してそのままでお引き受けすることがお客様や社員の安心につながるので、お申し出の通り快諾しました。

和田社長の経営手腕は、継承するのは大変でしょうし、時間がかかりますが、和田社長のもとで育った幹部と両備の幹部をしっかりシゴイテいただいて、今度は組織力で会社が経営できるようにしていくことが課題であると思います。

お互いに尊敬しあえる仲間として資本をお引き受けしたからには、更に素晴らしい会社になるように頑張りたいと思います。

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