両備グループ
CEO 小嶋光信
みなさんあけましておめでとうございます!
ご家族一緒に、穏やかで楽しいお正月を迎えられたと思います。お正月というものは毎年やってくるのですが、新たな希望が湧いてくるから不思議なものです。
時代を語るとき、「不透明」とか「不確実」と良くいいますが、いつの時代も見通せたことは少なく、毎年新たなことが起こっています。そのなかでも猛暑や大雨などの天候異変で令和の米騒動が起こっています。ロシアのウクライナ侵略が長引き、各地で国際紛争や地域紛争が多発し、世界は困難に直面しています。昨年世界は「トランプ占いの年になる」といいましたが、今年も新年早々ベネズエラにアメリカが軍事作戦するなど、よくも悪くも「トランプ占い」といえる状況が続きそうです。
一方で昨年日本初の女性宰相が誕生し、ハッキリした考え方で、「結論を出さない曖昧な日本」から脱却出来るかも知れません。
ともすれば悪いニュースが多いので暗い気持ちになることが多いですが、他方に目を転じてみると社会全体としてはAIなど新しい挑戦が次々と生まれています。悪い動きにマインドコントロールされて新しい時代の芽が生まれていることを見過ごしてはいけません。いつの時代もピンチはチャンスなのです。
昨年は「一所懸命」を経営方針としました。皆さん本当によく頑張ってくれました。心から感謝です。
両備グループ全体はICTの健闘に加えてT&T部門、まちづくり、くらしづくり部門の頑張りで連続100億円越えの経常利益を達成して、創立115周年を飾ることが出来ました。調子のよい企業は調子が悪くなる時に備え、調子の悪い企業は「なにくそ!」と業績回復に努力してください。また夢二郷土美術館や生物化学などの研究などへの表彰など、社会貢献事業も活発に行われ「文化性の両備」の気を吐いた1年でした。
今期は三菱ふそう中国地区販売と四国汽船も加わり、いよいよ売り上げ2000億円企業に仲間入りするでしょう。
昨年は業績に加えて多くの懸案事項が解決に向けて前進しました。
1.和歌山電鐵や岡山市の路線バス事業に公設民営が進展!
地域公共交通の赤字体質から脱却できない補助金制度から、経営努力で黒字化できるヨーロッパ型の公設民営のビジネスモデルに転換し、競争から協調へ大きな進展がみられました。
和歌山電鐵では、年末に和歌山県知事、和歌山市、紀の川市の両市長と「完全上下分離による公有民営化」の合意書に調印することが出来ました。
また岡山市ではバス路線を幹線と支線に分けて、支線に公設民営で「フラット」と命名された小型バスが運行を開始し、岡山方式といわれています。
いつまでたっても赤字事業から脱却できないビジネスモデルを経営努力によって黒字化できるビジネスモデルに変革する試みが着々と進んでいます。
2.運送法を交通政策基本法に則って改善する運動を展開していますが、昨年は大きな提言をすることができました。
私も委員になっている「地域交通制度革新に関する検討委員会」を主宰する運輸総合研究所が「地域交通産業の基盤強化・事業革新に関する提言」を纏められて、宿利会長と中野前国交大臣と石破前首相に要請をしました。
3.人財確保への対応
全国的に危機的な公共交通の人材不足に、思い切った待遇改善をすると共に「宇宙一本気(マジ)な採用PJT」などのPRと、軌道とバスの運転士という「二刀流」などの奇抜なアイデアで人財確保に努めて、全国的なニュースとなり結果を出すことが出来ました。しかし業界全体の人材不足という中では運転士確保は長期戦になるでしょう。
4.自動化への挑戦!
中国バスが自動運行の実証をしていますし、旅客船部門でも国際両備フェリーの「おりんぴあどりーむ せと」が昨年6月以来の自動運航の実証実験が無事終わり、12月に自動運航による商業運航を認める船舶検査証を世界で初めて旅客船部門で取得しました。
5.外国人財の受け入れにも東南アジアを中心に、日本語やスキルを持った人材確保のルート開発が進展しています。
「守って勝った大将なし!」で大きな問題点を解決した企業は次の時代を創るのです 。
大企業病になっていないか?
昨年コロナ禍で大企業病になっていないか?という疑問符を出しました。両備グループは決して大企業ではありませんし、大企業になろうとも思っていません。両備グループは中小企業の企業集団なのです。しかし、大企業以上の企業力を持ったしぶとく時代を貫いていくアメーバーのような企業グループになっていきます。
松田CSOも「権限移譲を進めるように」と号令をかけていますが、意思決定の早い組織を作ってください。
「すぐやる、必ずやる、やり切る」が行動規範です。会議の日程に意思決定を合わせるのでなく、部門やユニットに縛られて意思決定が遅くなるのではなく、権限委譲でハンコ文化をスリム化してください。
また世界に稀なる人間総合産業として多角化によるリスク分散を進めていますが、長期雇用を皆さんに保証できる企業を目指しています。皆さんが両備グループの教育システムとOJTで一生スキルアップして、安心して働ける職場作りが「社員の幸せ」という企業目的です。
いよいよ「働きたい改革」へ
昨年の新年の時に皆さんに日本は「働かない改革」をしてしまってジャパン・アズ・ナンバー1から世界の働く国の何と22位に転落したので、これからは「働きたい改革」をしないといけないと言いました。今年の流行語大賞に選ばれたのは高市総理の「働いて、働いて、働いて、働いて。働いてまいります」という言葉でした。これは国民に対して言った言葉ではなく、自分が総理として日本のためにしっかり頑張るとの決意と私は評価しました。困難な中でも前を向いて行動し続ける姿勢が、今の時代を明るく照らしているように感じます。
昨年、私は思い切って年収の壁を200万円まで増やして人手不足を解消すべきと提案しましたが、どうも178万円になりそうです。すると1週間に14時間程度働く時間が増え、一年では750時間も働けて収入も増えます。パートなどを中心のサービス業の人手不足はかなり改善するでしょう。年収も75万円も増えますから、個人消費や生活改善にもなるでしょう。
国民の我々も、もう一度日本の資源は人財ということを思い起こして、健康を前提に効率よく働き、より良い人生を送ることを最優先にしなくてはなりません。
そこで今年の経営方針は、
忠恕とAIを力に
1. ワクワク仕事 生き生き暮らし
2. きっちり基本 しっかり安全
としました。
ここ数年国を挙げてベースアップによって生活の安定を進めています。両備グループの各社でもこのベースアップの原資を生産性や値上げで吸収できる企業と、吸収しきれずに赤字化する企業と明暗が分かれていきます。
どうやったら生産性をアップするか、今までの日本はガンバリズムの高揚でしたが、新たな生産性のアップに大きく寄与すると思われるものがこのAIとデジタル化なのです。AIとデジタル化は今までの仕事に革命的な力を発揮すると思います。
私もAIのツールとしてチャットGTPを使っています。私も無料のチャットGTPを使ってから有料に変更しましたから、アプリを無料でダウンロードして皆さんも使えます。
今まで多くの時間がかかった調査の仕事、企画の仕事、発表する各種論文の校正や、手直し、発表用のPDF の作成などに使っていますが、数分で次のステップに進めます。通常の企画案も自分のアイデアがしっかりしていれば、30分もあれば作り上げられます。
和歌山電鐵の催事に困ったときも、例えば「たま神社でどんなプランが考えられるか」と問うと「巨大絵馬はどうか?」と絵付きで瞬時に多くの情報を提供してくれます。また、たま駅長の子供用の小説を漫画に変えていこうとしていますが、入力さえ的確なら4分くらいで6コマ漫画を作ってくれます。面白いのは、この「たま駅長」の漫画はパクリでないか、著作権は大丈夫かと問うと、私が提供した写真から作ったオリジナルで著作権に抵触しません」と答えてくれます。
仕事が本当にワクワク出来て、サクサク進みます。事務的仕事はデジタル化とAIの活用で様変わりすると思います。
そして仕事がワクワク出来ると、不思議に暮らしも生き生きしてきます。仕事が上手くいかないと遊んでいても気になりますが、ワクワク仕事が捗れば、暮らしも気持ちの余裕で生き生きしてきます。
AIを使えば、「今日は空気の良いところでのんびり小粋なカフェで時間を過ごしたい」と口で言えば、瞬時にその候補を探してくれます。AIは仕事だけでなく暮らしも豊かにしてくれるのです。
AIの時代には「忠恕」が必要!
何で「忠恕」とAIなのかと思う人がいるでしょう。アメリカは本当に反応が早い国です。AIの時代になったらデジタル人間と共に「哲学」や「倫理」を学んだ学生やキャリアの募集が増えています。また新卒より経験豊富な社員の確保が熱心です。彼らはAIの弱点を知っているのです。AIが進んでくると、実は知識の豊富な人、経験豊かな人、哲学や倫理に詳しい人が重要になります。AIは人間の心を持っていませんから、社員の皆さん一人一人の忠恕の心がますます必要になります。
人間としてやってよいことか、いけないことか、AIは善悪を上手く把握できません。またAIの答えが正しいか正しくないかは倫理、哲学の問題とともにフェイクかどうか、経験や知識がないと分かりません。ですから経験豊富な人間としての哲学・倫理を学んだ人財が重用される時代が来たのです。これからはAIの答えが人間の社会として正しいかどうかの判断業務が最も大事な仕事になるのです。常にAIの答えを忠恕というフィルターにかけると相手の気持ちに立った、優しいプランを作り出すことができます。AIに忠恕の心を加えると両備グループらしい展開になります。
皆さんに以前「右手に忠恕、左手にそろばん(計算機)」といいましたが、AIの時代はまさにこの思いやりと計算のバランスが必要なのです。
「きっちり基本 しっかり安全」は両備グループの信頼の絆であり、安心・安全とセキュリィーが両備の信用です。交通事故や不祥事、IT部門のお客様とのトラブルやハッカーの攻撃を許してしまうのは、遡ってみると肝心の「基本」を守っていないと思われるヒューマンエラーが大半です。
「いつも車がいないからバックしても大丈夫だろう」「右折しても相手の車はいないだろう」というポカミス、ITなどでもハッカーの攻撃に誰かがチェックするだろう等、思い込みでのヒューマンエラーが大半です。今年はこの「基本」を守る運動を各部所徹底して下さい。 「こんなことは分かっているだろう」と思わず愚直に「当たり前のことを当たり前に」行動するように社員の皆さんのクセを付けてください。安全も忠恕の心で相手を思いやれば多くは防げますし、今後の安全にもAIが大いに役に立つでしょう。
基本を守れば、ヒューマンエラーやポカミスでの事故やクレームは半減します。
乗務社員の皆さんも相手に譲る思いやりの運転で、もう一度「優しさの運転3原則」を心に刻んで、「安全を運転」してください。
①粗い運転→優しい運転
②粗い言葉→優しい言葉
③粗い接客→優しい接客
企業哲学と企業倫理を重んじてきた両備の忠恕の時代がやってきた!
21世紀に最も失われるものが「人の心」で、失われていく人の心こそが価値を生み出していくとして21世紀の経営理念を「忠恕」と「しました。AIを見越して両備グループは経営理念を「忠恕」として、人間だけがもてる思いやりをベースにAIを使いこなしていくと、新しい仕事のやり方やゆうゆう暮らすゆとりが生まれてきます。AIは難しいものではなく誰でも使えます。
知りたいこと、気が付かなかったこと、現在の仕事のやり方だけでなく、いろいろ思い悩んでいたことがこのツールで大きく前進するだけではなく仕事がワクワクしてきます。大いに生産性をあげてゆとりを生み出すように、「忠恕」とAiで新しい時代を切り開いていきましょう。
本年も、お互いに支え合いながら、それぞれの持ち場で力を発揮し、小さな積み重ねを大きな成果へとつなげていきたいと思います。







