新業態都市型スーパー 「森のマルシェ桑田町店」オープン

両備ホールディングス会長兼CEO
小嶋光信

新築の「森のマルシェ」にパッと入った瞬間、40数年前にアメリカのスーパーに入ったワクワク感とドキドキ感が蘇ってきました。

構想は5年前に遡ります。都市が空洞化し、賑わいを失い、都市居住者が高齢化に伴い郊外型スーパーに買い物が億劫になってきている都市の暮らしのソリューションとして、「市場(いちば)コンビニ」という新業態を弊社の両備ストアカンパニーに提案しました。名前を両備ホールディングスの本社所在地の錦町をとって、京都の錦市場の活気にあやかり「錦町市場」とし、21世紀の新業態として示しました。

しかし、当時は郊外型大型モールの時代で、こんな小さい店は採算に合わないのではということで現場の熱意を感じませんでした。
それでは、成功体験がいるなと思い、古く汚れているが地域密着していた超小型スーパーの伊福町店を、両備グループ100周年の名目でリニューアルを提案し、「パークス伊福町店」として新業態のオシャレなミニスーパーにしました。
これが思った以上の人気で、地域のお客様に喜んでいただけたので、この「森のマルシェ」の構想の伏線となりました。

コンセプトは、

  • 「市場の賑わいをオシャレに」が第一コンセプトです。
    昔八百屋さん、魚屋さん、肉屋さんやパン屋さんのお店は、ご亭主と女将さん二人でお店をしていて、活気があってにぎやかでした。この市場みたいなにぎわいを持ったおしゃれなマルシェをコンセプトとしました。
  • 「サービスをスーパーする」ことが第二コンセプトです。
    スーパーは人手を省いて安く販売することが本来の機能ですが、「森のマルシェ」は、サービスをお安く提供することが大事な地域密着となります。
    高齢化社会では、一人二人の生活ですから、カット野菜や肉や魚も小分けで対応し、お惣菜もアツアツのものを食べていただくなどのサービスを充実していきます。出来るだけ町内の皆さんの顔と名前を覚えて、お互いの四方山話に花を咲かせながら、みんなと一緒にすごく温かい人間関係で、活気を創りたいと思っています。
    12月になれば、昔のご用聞きのように電話などでご注文いただいてスマイルデリバリー(宅配)も検討します。
  • 「買いだめ型から毎日型へ」が第三のコンセプトです。
    買いだめしておかなくても、必要な分を必要なだけ買いに来ていただく、自分の家の冷蔵庫や台所と思って毎日寄っていただく、そんなマルシェになりたいと思っています。
  • 「地産地消型」が第四のコンセプトです。
    生産者の顔が分かるようなお店を創りたいと思っています。まだほんのちょっとの売り場ですが、外壁に生産者のパネルを飾っています。こんな笑顔から出来たお野菜なんだと、食べていただく時にその顔が思い浮かんでいただければ幸いです。小さいから出来る、そんなトライをしたいと思います。

大きなスーパーは大きな商圏からお客様を集め、我々は半径500mくらいの商圏で、歩いて、また自転車で、普段着で気楽に来ていただくお店を目指しています。昔の街のにぎわいを少しでも創り出せ、住んでいて良かったと思えるようなまちづくりの一助になれれば幸いです。

20131107

両備ホールディングス