両備グループ
CEO 小嶋光信
記念すべき両備グループの第40回のSSP-UPコンテストが備前岡山教習所さんのご協力で、親しくしている鉄道やバス会社の幹部の皆さんをご来賓に迎えて9月27日に盛大に行われました。
40回となれば一つの歴史で、振り返れば両備バスでは昭和50年代には乗務社員教育とガイド教育では他社に抜きんでてしっかりとした教育が行われていましたが、当時は旧両備運輸のトラック部門には教育機関がなく、タクシー会社も岡山交通、両備タクシーと岡山タクシーがそれぞれ個別にOJT を中心に現場教育をしていました。
昭和49年に岡山に帰り、旧両備運輸の常務として現場をお預かりするようになって、困りごとはトラックやタクシーの事故とお客様からのクレームでした。
特に問題だったのはトラック部門で、労働組合を含めて「国の免許をもらっているので会社の教育などは要らない」、「走っていれば事故は起こる」という安全意識が全くない状態の上にトラック会社の2次下請け、3次下請けで両備の誇りなどが職場にはない状態でした。
そこを粘り強く労働組合と集団交渉を続け、3か月の交渉でやっと説得して両備バスの教育にお願いして両備バスの制服制帽を着て教育を受けることを条件にトラック部門の乗務社員を手始めに教育を始めました。
トラックもタクシーもそうですが「一流のお客様のお仕事をさせていただけば一流になれる」と思い、教育と共にトラックは一流企業の元受けを目指して営業し、タクシーも一流のお客様への営業に努力して、教育も相まって事故も減り、接遇も向上してきたのを機に昭和50年代の半ばに「日本一安全な運輸企業を目指す」という当時の状態を考えると大風呂敷を広げたスローガンを掲げて、安全教育の制度を創っていきました。
S:安全(セーフティー)があって初めてS:(サービス)が活きる。安全とサービスがあって初めてP:生産性(=プロダクティヴィティー)があがるという経営信念から現在のSSP-UP大会の原型が旧両備運輸のトラックとタクシー3社で生まれました。
私が両備教育センターを昭和60年代当初設立したのは、当時両備バスはマイカー時代のバス離れによる業績低下で、コストダウンのために歴史ある教育部門を閉鎖して運転職はOJTを中心に教育するとして、ガイド教室だけになったからです。
私自身は現場を持っていたので、OJTだけの教育は危ないと思い、乗務社員の教育を自力やろうと両備バスが教育を縮小したことを機に両備教育センターを設立しました。そこから両備教育センターが事務局となってSSP-UP大会も本格的に行われるようになって、今回が40回です。
両備バスや岡電が加わるようになったのはその後1999年に私が両備グループの代表になった時からです。
このSSP-UP運動は、いわば両備グループの交通・運輸業の技術と技能の運動会のようなもので、技術と技能を個人や職場で競い合ってレベルアップを図ることを目的としています。
お陰様で物流部門の両備トランスポートは見違えるように変身し、規模も国内からアジアへと業容を拡大して、安全面でも10万キロメーターあたり有責事故率0.03%前後となり、「日本一安全な運輸企業」といえるまでになっています。
部門としては、バス、トラック、フォークリフト、タクシー、整備、鉄軌道、フェリーに事務の8部門で、運輸部門はそれぞれ学科と実技で、事務部門はプレゼンテーションとグループ協議があります。バス部門ではホスピタリティー競技が路上で行われています。
体験と展示では、衝突・横転体験、RRコンディショニング体験と岡山桃太郎空港のリムジンバスの車いすでの乗車体験など多彩な催しが行われています。
これだけ交通・運輸を中心に陸・海・空に人も物も運ぶ総合運輸企業は世界でも稀ですし、その上事務部門も入っての技術・技能の腕比べの競技大会は全国にもないユニークな大会だと思います。また地域も事業も多彩なので、全国から集まった選手たちが交流出来、両備グループとしての仲間意識が芽生えることも付随的効果です。
ICT部門も第9回のSSP-UP大会を開催
またこの両備グループのSSP-UP大会は、ICT部門でも行われるようになり、9月26日に9回目の大会が「昨日の敵は今日の友~競争して共創」というテーマで行われました。「敵」とは、システムのバグや予期せぬ障害といった課題です。来年はいよいよ10回目で、ICT部門ならではの一つの目玉事業に育っています。
ICT部門の場合のセーフティーのSは安全と共にセキュリティーという意味合いを持ち、毎年幹部から大会実行委員長と副委員長が選任され、それぞれ工夫したICTらしいSSP-UP大会で、勿論ICT部門の企業としては日本で、また世界でもオンリーワンの大会でしょう。
コンテンツとしては、
- システムモダナイズ実践フォーラム
- セキュリティーについてのディスカッション
- クイズ大会
- AI大喜利グランプリ
- 改善先生(失敗に学ぶ業務改善セッション)
- PSO活動の成果共有
- 基調講演「TEAMで安心を育てる(ANAビジネスソリューション((株)の山崎弘雅氏)
と極めて多彩な内容で、学びあり笑いあり、表彰ありと楽しく学んで、社員と幹部との距離感がもの凄く縮まる良い大会でした。
来年はいよいよ10回目で、新たな試みに期待が膨らみます。










