両備グループ代表兼CEO
小嶋光信
このたびJR西日本の「イコカカード」と、両備グループと岡山高島屋が開発した現金で買ってポイントが付く「たまルンカード」を合体して記念カードとして「ICOCAたまルンカード」を発売することにしました。
両備グループとJR西日本岡山支社とは、4年前に「公共交通の発展のための相互協力に関する覚書」を締結(調印日:平成22年11月24日)し、公共交通の利用で地域の活性化を図る努力を、お互いが連携して取り組んでいます。
このたびは4年目の記念として、今秋のイオンモール岡山開業を前に、懸念されている渋滞対策、および、市街地への回遊性を高めることを目的に、交通系ICカード「ICOCA」と岡山地域カード「たまルン」を合体し、日常のお買い物で特典が受けられる「ICOCAたまルン」サービスを開始することにしました。略称「イコたまカード」は、「たま駅長&カモノハシのイコちゃん」を水戸岡鋭治さんにデザインしてもらった「記念ICOCA」で、6月1日より発売することにいたしました。
たまルンカードは、閉鎖的なカードで無く、加盟したいお店は、一定の要件で何処でも加盟できますし、年齢も中学生以上なら誰でも持てるということで、もともと買い回りを促進する目的で開発したカードですから、ICOCAと合体すれば、更にその機能が増していきます。
本来JRと地域公共交通とは、旧国鉄時代は幹線と支線との役割分担がなされていて、運行の乗継や時刻表の事前調整をしてお客様に便利なように相互に努力していました。しかし、国鉄が民営化され、幹線、支線と言う概念が薄れ、共に民間会社と言うことで、競合会社のような立場になり、交流が希薄になったような気がします。
地方都市では、JRは幹線であり、地域公共交通は支線的役割なので、お互いの連携を強くして、乗り換えなどを出来るだけスムースに心がけるなど、お客様の利便を図ることが大事で、その連携のために両備グループとJR西日本岡山支社は覚書を締結しました。そしてあたかもイオンモールの岡山駅前の進出にあたり、市役所通りの渋滞緩和と中心市街地の回遊性創出を解決するツールとして、イコたまカードが役割を担える、グッドタイミングな局面で今回の開発に至りました。
今回のイオンモールの進出が地域の発展につながるかどうかのキーポイントは、商圏が広がるかどうかです。岡山市は、中四国の交通の結節点でありながら集客力が弱く、人口70万人に対し、その人口相当の60~70万人の商圏しかなく、活力が足りないのです。対岸の高松市は30万人商圏ですが、四国の玄関としてその人口の倍の60万人商圏と言われています。爆発力と言うものは、如何に詰め込むかですから、倍の商圏の客の賑わいが、また賑わいを産むのです。
岡山市は、1時間圏内に何と名古屋市と同じ550万人の背後人口を有しており、名古屋市と同じような商圏を形成できるはずですが、買いまわりの魅力が足りなかったのです。
イオンの進出で、地域全体を活性化して買い回りの魅力が出来れば大成功です。この広域商圏形成に、是非公共交通を使って岡山駅まで来ていただきたいし、来られたら我々地域公共交通がICOCAで回遊性のお手伝いができますし、さらにお買い物にも使っていただくと、たまルンカードのポイント付与が魅力を発揮して、回遊性を創出できるだろうという戦略です。
私は、21世紀は「競って争う競争」ではなく、お互いに「競って創造する競創」をしなくては地域が発展しないと思っています。オープンなマインドが必要なのです。
イオンの進出を起爆剤にみんなが切磋琢磨して如何に魅力を創り上げるかにかかっています。
30万枚発行の岡山地域のICOCAと21万枚発行のたまルンカードが合体して51万人のツールになり、今年中に加盟店、協賛店も現在の153店舗を300店舗に拡大して買い回りを促進したいと思います。6月1日の1カ月間は、239名の方に総額約32万円の賞品が当たるキャンペーンを実施しますので、ぜひこの機会にイコたまカードをお買い求めください。
岡山を中四国一の買い回り地域になるように、頑張ります!
両備グループ