女性管理職・経営職を10年で10%に!- 両備グループ女性管理職・経営職養成講座開講へ、キックオフ!-

両備グループ代表兼CEO
小嶋光信

両備グループは、21世紀は女性の活躍の時代と想定して、この10年間に女性管理職・経営職を全体の10%に拡大するプログラムを進めていきます。

なぜ21世紀は女性の活躍する時代かというと、収入のダブルポケット化です。女性の社会進出が進み、共働きが当たり前になったうえに、生活維持の観点からも子育て期間も働くようになり、また、それぞれの給与は銀行振り込みで、女性がダブルポケットの家計の財布を握るようになりました。結果、購買活動の中心が女性に移り、財布を握っている女性が購買意志決定者になってきました。

高度成長期は男性が財布を持って購買の意志決定者でしたから男性中心の経営で良かったのですが、市場が女性中心になった今、男性の良さ、女性の良さを生かした企業が勝者になると思います。

両備グループ社員総数約8,500人で課長職以上は571名。そのうち女性は、課長15名、部長5名、経営職3名で、全体のわずか3.5%です。
今は極めて少数ですが、そのバックグラウンドの女性係長職は65名、主任クラスは174名も育っていますから、次のステップ如何で10%達成が可能なレベルにあり、今後の対策が大事です。

女性総合職を管理職・経営職に育てていくには、現場の仕事と人事だけでは無理ではないかと思っています。

理由は、

  1. 女性総合職の場合は、総合職の仕事のウエートより現場で専門職として、仕事でなく定型的な作業をしているケースが多いこと。
  2. 結婚、出産での家事や子育て、更に両親などの介護に女性の負担が多く、家族の理解と応援が必要なこと。
  3. 女性特有のライフスタイルを理解し、仕事とそれらの両立を図る社内体制の準備が十分でないこと。
  4. 女性社員も仕事と家事のどちらをとるかで、割り切れない悩みがあること。
  5. そもそも意識的にも、どれくらいの年齢まで働くか、結婚、子育てなどの人生のステージが明確になるまで漠然としていること。
  6. 自発的に管理職・経営職を目指すタイプはごく稀で、上司が背中を押してあげたり、スランプに陥った時の精神的なサポートが必要なこと。
  7. 教育や研修があっても遠慮や職場の理解が足りなかったりして、体系的に受けにくいこと。

などで、これらの解決を図らなければならないと言えます。

男性の場合は、上昇思考の総合職が多いので、適度な教育、訓練と人事によるOJTで育つ傾向があり、「仕事が人を育てる」といえるでしょう。しかし、女性社員の場合は、上記の問題や傾向を理解し、「意図的な立場が人を育てる」という仕組みが大事と考えています。

さて、今回の養成講座を企画して、そのキックオフに最も相応しい基調講演は、㈱岡山高島屋社長から㈱高島屋の初代女性代表取締役になった肥塚見春専務だろうと、数ヶ月前から準備していました。時あたかも安倍首相が2020年に指導的立場の女性の割合を30%にという政府の方針を発表され、時宜を得た取り組みになりました。

肥塚専務の入社や、結婚、子育て中の仕事の取り組み、2年ちょっとで新しい職場に飛び込んでいく人事などを聞いて、高島屋はダイナミックな人事で、その職場の経験をOJTとしていることが分かりました。しかし、妊娠し、出産直後の昇格試験を受けたという話で、その根性の凄さに感銘しました。まさに男勝りです。肥塚さんは、全く組織に対しての甘えがありません。それに引き替え、両備グループは優しすぎる会社です。教育を職場で生かし切れていない原因は人事の停滞でしょう。タイムリーな教育と、ダイナミックな人事とOJTが人材を育てる大事な仕組みだと言えます。

私が、経営に携わって約40年、会得した人事の要諦は、「社員は3年経てば慣れが来て、5年経てば飽きがきて、10年経てばダメになる」ということです。同じ職場で3年から5年で糠みそが腐らないうちに、人事で職場を異動させる、人材の活性化が必要です。

地方企業や中小企業はどこも同じ職場、同じ上司などで人事が停滞していることが、人材が育たない、OJTが効かなくなっている原因と言えます。

今回パネラーの上條さん、山木さん、槙尾さん、服部さん、分島さんに養成講座運営委員として教育センターと共に、この8月から、リーダーシップトレーニングと組織コントロールを中心に10回程度の講座を開設したいと思います。

上司も是非推薦し、本人も是非学びたいという意欲ある人材を発掘して、進めていきたいと思います。
またそのメンバーは、教育センターの労務や財務などの必修のカリキュラムを決め、U30から両備大学、JB両備大学院と男性総合職の幹部養成ステップを同じように経験させて、ブラッシュアップして、21世紀の人材として育てていきます。

20140523

両備グループ