両備フェリー社長
小嶋光信
「海の日」を記念して次代を担う子供たちに、是非船で海に親しんでもらおうと、日本旅客船協会会員の旅客船業者が毎年、こどもの日と同様に小学生を無料で船にご招待しています。
日本は四方を海に囲まれた海洋国家ですが、だんだん海に接することが少なくなって、おまけに一昔前までは、夏は海水浴でしたが、今はプールに行くようになって、子供たちもいよいよ海に親しむことが少なくなってしまいました。
特に最近は韓国のセウォル号の事故などで、船は怖いと思うような気配が出てきました。セウォル号の事故は、日本では考えられないような、違法な船であるだけでなく、船員さんたちも安全への意識が少なく、荒海なのに荷物の固定をしていない、万が一の緊急事態時に旅客を安全に避難させるための救命ボート等の装備が整っていないという異常な状況で起こった犯罪ともいえる事件です。
そこで両備フェリーグループでは、船が安全な乗り物であることの説明や、飛行機に乗ったときと同じように、万が一の場合の救命胴衣についてのご案内等をして、運航の安全確保に努めています。
また、より子供たちに船と海に親しんでもらおうと、今年の海の日をスタートに、日本で初めて「キッズ一日船員学校」を開校することにしました。
船はどのように造られるか、どのように操船されるのか、海の航行のルールなど、楽しく船に親しんでもらえるように企画しました。
当初は10名の予定でしたが、倍の20名の子供たちが熱心に学んでくれました。
まず旅客船フェリー「おりんぴあどりーむ」に乗船し、ブリッジでの操船を勉強したり、救命胴衣を着てみたり、まず船の実地体験をして、新岡山港から小豆島の土庄港まで船旅を楽しみながら体験学習してもらいました。
土庄港に着いて、港のすぐ近くにある両備グループのオーキドホテルで、小豆島名物のソーメンを賞味して、座学として国土交通省中国運輸局の松原外国船舶監督官の楽しい講義、両備フェリーの森副カンパニー長による分かりやすい「船の教科書」で勉強しました。
今回の開校で、「キオツケ!敬礼!」で気合いが入って子供たちがみるみる船員さんらしい態度になってきたのが特に印象的でした。
キッズ1日船員学校は、この後7月27日(日)、8月3日(日)、8月10日(日)に開校しますので、奮ってご参加ください。
子供たちが海に親しみ、将来日本の海運界を担う人材を目指すキッカケになってくれればと期待しています。
詳しくは、http://www.ryobi-ferry.com/pdf/kidscaptain.pdfをご覧ください。