パークス福成店オープン -新業態の地域密着スーパーを求めて-

両備ホールディングス会長兼CEO
小嶋光信

大手スーパーの巨大化が進み、スーパーが各地で所狭しと林立する中で、昭和40年代から地元スーパーとしてご愛顧いただいている両備ストアをどのように変革させるかがネクスト100年の大きなテーマの一つでした。

両備グループのビジネスコアは、運輸交通・観光部門、情報部門、生活関連部門の3つありますが、それらのビジネスコアを貫くテーマは「忠恕の心で、地域に貢献し、地域の暮らしを豊かにする」と言えるでしょう。

当時はまだ巨大化が地元郊外スーパーでもテーマでしたが、少子高齢化が進み、人口減少で、特に団塊の世代で郊外にスプロール化した地域が高齢化すると、果たして郊外の広大なショッピング施設がもつのかという疑問がありました。

そこで、約7年前から検討を始め、

  1. 我々地元スーパーは如何に地域の皆さんの生活にしっかり密着し、ご家庭の冷蔵庫やキッチンとして頼りにしていただくかが鍵である。
  2. これからは昔の八百屋さん、魚屋さん、肉屋さんの集まった市場のような賑わいとお客様との結びつきの業態に戻るのではないかという見通しがあった。
  3. コンビニのように、より身近で便利な小型化になるのではないか。

ということで「市場コンビニ」と称して、京都の錦市場にならいHDの本社が錦町なので「錦町いちば」という名称までつけて検討していました。

内部的には色々ありましたが、アンテナショップとしてパークス東山店、パークス伊福店、パークス富田店(倉敷)、森のマルシェ桑田町店を開発し、今回パークス福成店の新規開店に繋がったわけです。

100周年を契機に最も古い店舗で、見替えの悪い伊福店の改装の前に、その店をジッと観察していると、決して綺麗とは言えない店なのに老若男女のお客様で結構賑わっているのです。お客様の心を掴んでいたのはレジのスタッフでした。「お婆ちゃん、もうこの前かったお米無くなっていない?買っといたらいいよ!」などお客様を知り尽くして声かけしているのです。

若者は弁当を買いに来ていましたが、コンビニより安く、スーパーのお弁当は防腐剤がほとんど入っていないので安全だということを知っていたのです。だから古く、汚い店でも採算が取れていたのです。綺麗汚いより、如何にお客様の心を掴むか、コンビニより安い、安全安心な売り方がキーポイントと分かりました。
福成店では更に進化して、アメリカのグルメスーパーやオーガニックスーパーの良いところも取り入れて、最先端の地域密着スーパーを目指します。

これからの両備ストアの店舗のカテゴリーは、

  1. 大型複合店を「プラッツ」とする。
  2. 300坪前後の中型店を「パークス」ブランドとする。
  3. 100坪前後の小型店は「森のマルシェ」ブランドとする。

の3つに整理できます。今後はパークスや森のマルシェの出店を加速します。

今回の店づくりの特徴は、

  1. 水産は対面の冷蔵ケースでご希望の料理の仕方でバラ売りする。
  2. 惣菜はホットメニューで提供する。
  3. 一人用の品揃え、必要な商品を量目で販売する。
  4. 岡山産に拘った品揃えで、農産は地産地消コーナー、畜産は岡山産の豚で、安全安心の美味しいものを品揃え、水産も岡山・瀬戸内産を意識した品揃えする。
  5. おしゃれに乾杯コーナーを設け、飲みきりタイプのお酒を揃え、チーズ、スモーク・珍味で少し贅沢に演出している。
  6. 売るではなくお手伝い、お役に立つ気持ちで対応する。
  7. 電話で注文を受けて、お渡し時間にあわせて調理するオーダー
  8. デリカを採用する。
  9. インストアベーカリーにカフェコーナー12席を併設して、お店で楽しんでいただく。
  10. 宅配サービスは12時までのお買い上げを17時までにお届けする。

など、「あれ、この店スーパー?」と思うように、百貨店のデパ地下並みの楽しさとサービスを充実していきます。

挨拶もやまびこ作戦で元気で活気のある店づくりを目指しますので、是非ごひいきにお願いします。

20141115

両備ホールディングス