第1回SSP-UP技能コンテスト関東大会開催!

両備グループ代表 兼CEO
小嶋光信

SSP-UP技能コンテスト大会は30年以上の歴史を持つ両備グループの運輸交通部門の技術力を競う運動会で、運転技能や接客技術等の現場力を競うとともに、事務技能を磨く全国大会です。

ここ数年で、関東地区の運輸交通部門が、これまでの両備トランスポートのトラック部門だけでなく、ハロー・トーキョー、イースタンエアポートモータース、ニッコー観光バスと御座船「安宅丸」が加わり規模が大きくなったので、岡山での開催にやや無理が出てきたことと、それらの再建に携わっている松田敏之副社長の強い思いから、この12月6日に「SSP-UP技能コンテスト関東大会」の第一回大会を神奈川県の南横浜自動車学校で開催しました。
素晴らしい快晴に恵まれた当日は、緊張の中にも楽しい雰囲気で、出場選手と労使幹部共々みんなウキウキしていました。

このSSP-UP技能コンテスト大会のルーツは、私が昭和48年に旧・両備運輸の再建のため常務として岡山へ帰ってきたときに遡ります。旧・両備運輸は両備グループの日の丸タクシー(現・両備タクシーカンパニー)と牛窓の南備海運(現・両備フェリー)が合併して出来た会社に、業績不振の地元の小さなトラック会社を吸収した寄り合い所帯の会社でした。日の丸タクシーは当時のタクシー部門担当の常務がシッカリしていましたが、トラック部門とフェリー部門は今の言葉で言うと、経営や管理と現場共「ワヤ」でした。その中でもトラック部門は40台程度のトラックでしたが、毎年一回は目に染みるような事故をするし、職場規律は出鱈目で目を覆う有様でした。運転手の休憩所は窓の無い、暗く汚い部屋に裸電球一つ、中は蒸し暑いので休憩中の運転手さんは上半身裸で、成人雑誌を読んだりチンチロリンという賭け事をしていたりで、これが両備の職場かと思うほどでした。

旧・両備運輸には乗務員の教育をする人材がいなかったので、両備バスに教育を依頼してレベルアップに努めました。10年くらいかかりましたが、何とか、トラック、タクシー、フェリーの安全やサービスの水準が整ってきたので、自分たちの仕事を競い合って相互にレベルアップする、両備としての運転の質を標準化する、異なった地域・職場の皆さんが競技を通じて同志的結合を作ってもらうということで、労使参加による両備運輸社内コンテストとして、タクシーグループは全社参加で第一回の競技大会をスタートしました。

安全(safety)があってサービス(service)がある、安全・サービスがあって初めて生産性(productivity)があるという信念でSSP-UP運動を展開するようになって、SSP-UP大会と改称しました。

実はこのSSPの綴りの順番に意味があるのであって、安全を一番に、サービスを二番に、そしてそれらがあって初めて生産性があるということが組合の皆さんにも共感を持ってもらえ、労使の大会に相応しくSSP-UP大会と変更したのです。その後、私が1999年に両備グループのトップになったことでバス部門も加わり、今日に至ったのです。

中国バスのように日本一安全と言える水準になっている会社も出てきましたし、業種や業態が違っても、この競技で一体感が生まれ、それぞれプロとして認め合い、仲間意識が生まれたと思います。今までバスは、両備トランスポートのトラックとすれ違っても挨拶しませんでしたが、この大会を両備グループ全体で始めたことでお互いにすれ違いざまや、高速道路のサービスエリア等で挨拶をするようになりました。

東京地区のハロー・トーキョーやイースタンエアポートモータースやニッコー観光バスは、両備グループ入りしてまだ歴史が浅いのですが、共に事故が多いところが共通点でした。いくらサービスが良くても、お客様にとって最大のサービスは当然「安全」なのです。

今回の大会では、やはりハイヤー、タクシー部門の運転で、やや焦り気味なところが見られましたが、安全教室やAEDのデモなど今までにない新しい取り組みもあり、ご来賓共々楽しい一日でした。特に寒い日だったので、組合の皆さんが作ってくれた豚汁は大変心に沁みる美味しい出来栄えでした。
この大会を契機に、“日本一安全な運輸企業”を目指して、頑張りましょう!!
皆さん「ご安全に!」

sspup

両備グループ