新人事制度施行の目的と意義 -「49社652名がガラリと役職変更、キャリアパス実施」のポイント-

両備グループ代表 兼 CEO
小嶋光信

2010年の創立100周年以降、「ネクスト100年」を目指して、「大企業並みの管理力、経営力を中小企業並みのコストと効率化で創る」運動を展開している。

ネクスト100年には人財力がキーとなるため、総合職を中心に各職制において3ヵ年かけて再教育をし、課長職は少なくとも日商簿記3級を取得することを義務付けました。

一部の大企業のように、落とすための教育や改革ではなく、意識改革と基礎的管理力と、特に経営理念(忠恕)と経営方針をしっかりと中心に据えた管理や経営をするように再教育しました。

対象社員みんなが、初めての経験である3ヵ年に及ぶ教育や試験、面接、旧役職の返上などの経営環境の激変に文句も言わず、ひたむきに取り組んでくれたことに心から感謝しています。
簿記の試験に6人も落ちたバス部門で、女性幹部が私だって受かったのだからと自ら家庭教師を名乗り出て、“両備寺子屋”で教えて見事全員合格したという心温まるエピソードには感激です。

試験、面接の結果は、現行役職の主任クラス(グレード3)以上の対象者652名に対して、認定者(①)並びに、暫定認定者(②)の合計が599名(構成比91.9%)となりました。

①全ての条件をクリアした認定者 369名(構成比56.6%)
②暫定的に認定した者 230名(構成比35.3%)
③役職を外す者 13名(構成比 2.0%)
④他職種へ変更する者 40名(構成比 6.1%)

今回の人事再構築の目的は、「身分と職制を分け、仕事という与えられたプロジェクトごとに、その問題解決能力を持った相応しいリーダーを選定し、フラットな組織を自由に編成し実践していく組織とする」ことです。

具体的には、

  1. 1999年以来取り組んでいる年功序列型組織を「能力主義的安心雇用」に全社的に切り替える運動の総仕上げとして、総合職の主任以上652名から真のリーダーたるべき人材を再教育し、選考の上で問題解決能力のある人材599名を抜擢し役職につく組織の再構築
  2. フラットな組織作りとチームとしての組織のワーク作り
  3. 迅速な意思決定と実行力の発揮
  4. 問題解決を図ることで自らの能力に磨きをかける
  5. 組織のマンネリ打破
  6. グループ役職の横断した整合性で、人事異動をダイナミックにし、適材適所に会社内からグループ内へ拡大
  7. 何か分かりづらい横文字の役職としたのは、フラットな組織として役職で呼び合うのでなく、「さん」呼びにして欲しいという意図があるため

新しい役職者へ私が呼びかけた合言葉は、

  1. ドリームプレーヤーになれ!
  2. アゴで仕事をするのではなく、知恵と実行力でリードする
  3. 後継人財を育てよ

です。

それぞれ、4月中にこの一年間の課題を提出してもらって、毎年評価する方式を取り、その結果によって報酬も決まっていきます。
もちろん、大企業並みの成果を上げた場合は、報酬も大企業並みになるように配慮します。

4月1日、従来の課長職以上、約100人を集め辞令交付式を開催しましたが、みんな生まれ変わったように目がキラキラしていました。
さぁー、新しい両備グループの発進です!

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