Rフェスで高橋大輔さん冬季国民スポーツ大会岡山を盛り上げ!
―高橋大輔さんフィギュアスケートの夢を語るwith田中刑事さん―

両備グループ

代表 小嶋光信

「Rフェス2024」に岡山県出身のバンクーバーオリンピックのメダリストである高橋大輔さんを呼びたいという依頼で、真っ先に頭に浮かんだのは2025年の冬季国民スポ―ツ大会です。

ところで皆さんは岡山県で冬季国民スポーツ大会が開かれることをご存知でしたか?

何と来年1月26日から西日本で、それもこの温暖な岡山で冬季大会が開催されます。

雪国でもなく、桃やマンゴーの育つ岡山で、何で冬季国民スポーツ大会なのか、岡山県が何で世界に誇れるスケート王国なのか、そこのところを日本フィギュアスケート男子で初めてオリンピックのメダリストになった高橋大輔さんと、大輔さんを目指して世界のスケーターになった田中刑事さんとのトークで解き明かしていきたいと思い、ステージで語ってもらいました。

私がNPO法人岡山県スケート連盟の会長になったのは1900年代半ばで、私のミッションは2005年の第60回 国体岡山大会において、ほとんど点数の取れない冬季スポーツのフィギュアスケート部門で何とか入賞できる選手を養成することでした。ちょうどその頃、たまたまスキーをする脚の訓練を兼ねて子どもたちと岡山市内のスケートリンクへ行っていたことを知っていた青年会議所時代からの友人にスケートの世界へと引っ張りこまれたのです。

しばらくして、倉敷の当時サンピアスケートリンク(現・ヘルスピア)を訪問したときに倉敷FSC(フィギュアスケートクラブ)の佐々木コーチ(現・監督)から「小嶋さん、面白い選手がいますよ!」と紹介されたのが少年時代の高橋大輔さんでした。当時からとても礼儀正しい少年で、ステップが上手な選手でした。

すると、ノービス(初心者)や少年の部でどんどん勝ち上がって世界ジュニア選手権への出場が決まりました。その当時、日本の男子はフィギュアスケートでは世界で優勝できないと言われていた時代で、岡山県の少年が世界ジュニア選手権に出るというだけでビックリして、狐につままれたような気分で壮行会をしました。送り出したところ、何と日本の男子では絶対無理と思われた世界ジュニア選手権で優勝して帰ってきたのです。

普通はここで大喜びですが(もちろん、みんなでお祝いましたが)、私たち岡山県スケート連盟の幹部は浮かぬ顔です。なぜならオリンピックの養成選手、いわゆるジャパンの選手になると演技時間が国体とは違うため、国体には出ないことが普通で。幹部は内心ガッカリしましたが、何と大輔さんは「岡山のために出る」と言って、甲府で行われた冬季国体に出場し、見事優勝を果たすことができたのです。

甲府大会では「えっ、岡山県が優勝!おめでとう!小嶋さ~ん、二度と無いね!」と雪国の監督さんや大会の幹部からは、誉められたのかヤジられたのか分からないような言葉をかけられましたが、それから岡山県のフィギュアスケートの快進撃が始まりました。何と大輔さんは日本男子で初めて無理と言われたバンクーバーオリンピックで見事に銅メダリストとなり、その後も国内外の大会で大活躍しました。

バンクーバーに行くときには、どこから飛んでも着地できるように「たま駅長」の写真を託け、帰国後には両備バス旧本社から岡山県庁まで凱旋パレードをし、シングルの引退発表も長年ささやかな支援をしていた(一財)両備檉園記念財団の受賞式後に行いました。しかし、一旦引退はしましたが再び復帰し、シングルからアイスダンスに挑戦したりして本当にサプライズ一杯の競技人生でしたが、今度は本当に競技選手を引退するというので、昨年財団からスポーツ特別功労賞として表彰させていただきました。私や両備グループとしては大輔さんとの思い出が一杯です。

大輔さんが世界ジュニア選手権で優勝した後は、多くの若者が大輔さんを慕って集まり、福山の町田樹さん、倉敷の田中刑事さん、同期の小松原美里さんなどが岡山から世界的な選手となって大活躍するようになったのです。

大輔さんはトークの中で「子どもの頃は泣き虫で武術やアイスホッケーは気が向かなかったけど、フィギュアスケートは楽しかったので今日がある」と言っていました。

岡山県が世界に冠たるスケート王国となった理由は、

  1. 優秀な素質を持った選手たちがいる
  2. 岡山市と倉敷市に通年開業している2か所のスケートリンクがある
  3. 選手を発掘し、育成する目利きの優れたコーチがいる
  4. 子どもたちを送り迎えしてくれるお母さんや家族の温かい支えがある

という条件が揃っているからだと思います。

特に大輔さんの場合は、生みの親のお母さんと、発掘の親の佐々木さん、育ての親のコーチの長光さんと沢山のお母さんの愛情に囲まれて育ったと言えます。

昔の思い出やエピソードを田中刑事さんと、サプライズ参加してくれた北京オリンピックフィギュアスケート・団体で銀メダルを取ったアイスダンスの小松原美里さんと、大輔さんを発掘し育ててくれた佐々木監督と倉敷FSCの子どもたちが楽しいトークとダンスで来年開催される岡山初の冬季国民スポーツ大会を両備フェアの会場と岡山高島屋の2会場で開催した催事で盛り上げてくれました。

最期にサプライズ発表で、「来年か再来年に高橋大輔さんを中心にアイスショーを岡山で開催する」といったところ大いに盛り上がりました。

来年の岡山県での冬季国民スポーツ大会と、2年以内に行う予定の大輔さんのアイスショーをぜひ楽しみにしていただければと思います。

参考

2025年1月26日から2月5まで岡山県で開催予定の「第79回 国民スポーツ大会冬季スケート競技会(ショートトラック・フィギュア)・アイスホッケー競技会」は、フィギュアスケートがヘルスピア倉敷アイスアリーナ(倉敷市連島町西之浦)、ショートトラックが岡山国際スケートリンク(岡山市北区岡南町)、アイスホッケーは両会場で行われます。