和歌山電鉄第2回貴志川線祭り 開会あいさつ

和歌山電鉄 社長  
小嶋 光信

連休最終日の5月6日、それもあいにくの雨の中を第2回目になります貴志川線祭りにようこそいらっしゃいました。心から感謝し、歓迎申し上げます。

3月に紀ノ川市の中村愼司市長さんより、開催場所を大池公園より、西貴志小学校にしたらどうかというご提案があって、変えたお陰で、雨天でもこうやって挙行することができました。雨が降れば、条件が悪いので実力が分かりますが、このように大勢の皆様に、おいでいただき感激です。

また、ご後援いただいている和歌山市の大橋建一市長様、紀ノ川市の中村市長様、和歌山県や、実行委員会の「貴志川線の未来をつくる会」はじめとする皆様、日本一長い電車の絵でギネスに挑戦の那賀青年会議所の皆様のご出席、ご協力に心から感謝申し上げます。

和歌山電鉄を再建しますとき、色々な地方鉄道を研究しました。多くは第三セクターということで、経営責任を分散しているケースが多かったのですが、責任が希薄になるとどうしても意志決定が遅れたり、相手次第になったりしますので、弊社の場合は経営責任は岡山電気軌道(株)と両備グループが一手に責任を持つ体制を選びました。再建には地域の皆様の絶大な支援と行政の皆様の協力が必要との思いから、運営については運営委員会をつくり、座長の渡邉常務が利用者や地域や行政のご意見、ご要望をよく聞いてイベントや営業努力をする体制にいたしました。

お蔭様で「貴志川線の未来をつくる会」の濱口晃夫さんはじめ、地元と行政の皆様の強力なバックアップと、社員の皆さんの懸命な努力で10%前後の増収を見て、順調に再建が進んでいると思います。

週1回、年間50くらいものイベントを実行するという営業努力もさることながら、こんなに全国的にも地域的にも効果的なイベントとして皆様に支持していただける企画が続くということは、皆様のお陰とともに、昔からの伊勢神宮にある天照大神の天岩戸伝説の八咫鏡(やたのかがみ)の3つのうち2つの鏡のある日前宮、神武天皇のお兄さんを祭る竃山(かまやま)神社、全国の木の神様の伊太祁曽神社など全国に誇る神社線として神様に見守られているのではと思えるぐらいです。

水戸岡さんデザインの「いちご電車」や世界でも初めての貴志駅駅長の三毛猫「たま」ちゃんなど、全国区の話題で注目いただいたお陰で、多くの方々にご利用いただき、地域づくりのお手助けにもなっているとホッとしています。しかし、ここで気を抜かずに、あと9年間を予定以上の成果をあげて、更に10年後、20年後の将来像を実現させて、地域の足を確実にして、安心していただかなくてはいけません。

本年は「いちご電車」に続く第2弾として、「あっとおどろくプロジェクト」を推進していきます。それは夏までに、渡邉常務の営業努力により、大型サポーターになっていただいたTJホールディングカンパニー谷口 悟社長のアイデアと、水戸岡鋭治両備グループデザイン顧問のデザインによる、これも世界で初めての「おもちゃ電車」=「おもでん」を登場させて、更に再建に拍車をかけたいと思います。

地方鉄道の再建は、決して生易しいものではなく、一喜一憂せず、「日本一心豊かなローカル線になろう」いうスローガンのもと、着実に一歩一歩努力してまいりますので、これからも倍旧のご支援、ご協力をお願いいたします。

和歌山電鉄