両備グループ
代表 小嶋光信
12月9日、「月に杜を創ろう」という第7回Global Moon Village Workshop &Symposiumに連動したアウトリーチイベントが杜の街グレースオフィススクエアで開催されました。
この実行委員長は、私の友人でもある岡山大学特任教授の中村栄三さんで、今年10月に『月での植物栽培:人類の自給自足に向けて』と題する研究で両備檉園記念財団の特別賞を受賞しています。
中村栄三教授は、「はやぶさ2」が持ち帰った「リュウグウ」の砂から多数のアミノ酸を発見した世界的な科学者で、彼から今年の春に「ムーンビレッジ」の大会を岡山でやりたいと相談があり、両備グループも何らかの形で参加して欲しいと依頼がありました。まだまだ両備グループは宇宙まで事業をするような企業の力は無いので、大会の開催などの場所や運営のご相談であればご協力しますとお返事しました。
その後中村さんから送られてきた研究論文や資料を読んでいると、水・炭素・窒素がない月で「リュウグウの土」のレシピからどうやって野菜などの植物を栽培するか…の実験をしたいということが書いてあり、それなら両備ホールディングス・アグリビジネス推進部で植物工場もやっているので、メンバーの高橋さんをリーダーに研究と栽培は出来ますよとお応えし、活動をご一緒に進めています。
当日は、その成果である蕎麦の苗を高橋さんと一緒に手に持って、からし水菜やレタスなど10種類の実物を皆さんへのご披露をかねてイベントの冒頭でご挨拶しました。
水耕栽培なので月でも簡単にできるだろうと思われるでしょうが、実は、地球から全ての物資を運んで月で長期滞在となると、地球から水耕栽培の材料を全部運ぶわけにはいかないのです。よって、月に長期滞在するのなら自給自足体制をつくらなければなりません。
となると、宇宙や月で水耕栽培の材料などを調達しなくてはなりませんが、月には窒素も水素も炭素も無いので植物は育成できません。その貴重な資源がリュウグウにあり、この試みは、そのリュウグウの土とアミノ酸で野菜を育てよう!という実験なのです。今や世界では月や惑星に行くことを競い合っていますが、いずれ月などで食料の自給が大きな課題となることを見越しての世界で初めての壮大な研究なのです。
もちろん、スッと上手くいくものではありませんが、必ずやスペースアグリ事業はできるでしょう。
この宇宙規模の壮大な夢に向かって、少しでも両備グループの植物工場の技術力とノウハウがお役に立つことができれば、とても嬉しいことです。
両備グループ
オルトラーノ