両備グループ
代表 小嶋光信
今回、第11回を迎えた両備グループRQC発表会が7チームで開催され、各チームのメンバーが真剣にそれぞれの職場の問題解決に取組んだことが分かる発表で、両備グループの現場の力を感じました。
両備グループのQCサークルは、グループ青年重役会の提案で1971年にスタートして以来、中四国の運輸業やサービス業としては珍しく1998年まで、グループ全体で大々的に活動を展開していました。しかし、時間が経つにつれて段々と「QC発表のための取組み/活動」となり、活動が形骸化したことから休止してしまいました。
その後、2007年に旧両備バスと旧両備運輸が対等合併して両備ホールディングス㈱となり、前向きなグループ体制が整備される中で、過去のQC活動に携わっていた担当者から再開したい!と熱心な要望がありました。ちょうど、社員の皆さんの問題点の発見と絞り込み、分析能力や問題解決能力を高めたいと考えていたところでもあり、再度QC活動を検証してみると、この活動に勝るものは少ないこと、過去に形骸化してしまった原因や問題点もはっきりしていることから、2008年に再開しました。
過去に形骸化した理由は、お仕着せのQCサークルとなっていたこと、現場で集まってサークル活動がしにくい運輸業やサービス業特有の体制上の問題があることだと分かり、自発的な小集団活動となるように留意して再開しました。再開にあたっては、チーム数は少なくても、自らQC活動を通じて職場の問題解決を図りたいという意欲があるメンバーと、職場でのQC活動を理解する支援者に恵まれていることをチームづくりの基本と設定しました。
再開後は、素晴らしいチームワークと熱心な活動で、2020年にはQCサークル大会岡山地区で両備バスカンパニー玉野のチームが「若手乗務担当社員定着のために」で銀賞を、2021年には両備バスカンパニー岡山が「事故削減について」で同じく銀賞を受賞しています。また、JHS部門全日本選抜大会では、2019年に岡山交通・タクシーセンターのチームが「私たちのやる気スイッチ」で審査委員長賞、2021年には両備バスカンパニー玉野のチームが「エンゲージメントUP」で銀賞、2022年には両備バスカンパニー岡山のチームが「事故削減に向けて」で優秀賞を受賞しています。
今年の7つのチームも優れた活動と成果をあげています。
金賞の両備経営サポートカンパニー創夢本部チームの「問い合わせの効率化」は、今までグループ内の多岐にわたる問い合わせへの対応に多くの時間を費やしていたところ、チャットボットというツールを導入することでわざわざ問い合せしなくても分かるようになり、問い合わせ件数を38%減とすることに成功しています。このチャットボットというツールは両備システムズでも使っていますが、費用対効果が良く問い合わせの多い部署では導入を検討すべきでしょう。
銀賞の岡山電気軌道自動車事業本部のチームは、恐らく日本のみならず世界でも唯一かも?と思いますが、労働組合が主体になっているチームで、「優しい接客、優しい運転~接遇向上に向けて~」というテーマで組合らしく運行ダイヤや運転に集中できない原因、休憩時間について労使で話し合い、ゆとりのあるダイヤを実現して「合図は事故を無くす第一歩」というステッカーを全社のリアバンパーにつけ、「苦情を無くそう」という看板を設置するなど全社的な活動へとつなげています。きっと「日本一安全な運輸企業」に向けて大きく舵を切れたことと思います。
銅賞の岡山交通・両備タクシーセンターのチームは、「朝食フォトコンテストで欠食率改善~楽しく一日三食!Ver2023~」と題して、イライラや注意力不足、やる気にも影響する朝食の欠食防止に向けてフォトコンテストで啓蒙を図っています。
会長特別賞は、両備システムズインフラ・プラットフォームCのチームで「倉庫の工事部材管理による効率化」で見事に5SAFを駆使して準備工数を43%削減しています。
審査委員長賞の両備トランスポート東京支店チームは、「2024年問題とは?」をテーマに現場での法改正への理解度100%向上を図り、運行の見直しなどを全社的に取組んでいます。積み時間や着時間、待機時間や運賃値上げなど来期に向けて荷主さんたちの理解を深めて実行しようとしています。
まだ活動一年目の両備バス西大寺営業所のチームは、「西大寺って117」をテーマに職場で周知徹底できない原因(問題点)は口頭のみでマニュアル化ができていないことだと分析して活動しており、職場での点呼や示達が口頭のみで分かりづらい点に着目したことでT&T部門全体の問題提起となるでしょう。
両備バスカンパニー岡山営業所のチームは、「笑顔で出庫、無事故で入庫!~私たちは大切な人(あなた)をお運びします~」をテーマに更なる無事故に挑戦して、事業所全体が纏まっているので、来年には素晴らしい発表が期待できます。
このQCサークルの発表を聞いて、本当に両備グループの皆さんは素晴らしい!と改めて心強く思いました。是非、まだ食わず嫌いでQC活動を敬遠している各社の皆さんも、良き支援者のもとでやる気のQCサークルチームを結成して職場の問題解決だけでなく、職場の活性化とやりがいUPで社員満足度をあげて下さい。
両備グループ