高橋大輔さんにスポーツ特別功労賞 授与!
―(公財)両備檉(てい)園(えん)記念財団 第45回 奨励賞・助成金 贈呈式―

(公財)両備檉園記念財団
理事長 小嶋光信

当財団では第45回となる贈呈式にあたって、45回という記念の意味も込めて件数においては約10%増、総額で約60%増の36700千円として件数も総額も大幅に増やしました。

大幅増強の理由は、
1.研究者の皆さんが研究のために自由に使える資金が乏しく、大変、困っておられること。
2.コロナ禍でありながら両備型のリスク分散経営が奏功し、ICTやまちづくりの頑張り、くらしづくり部門の踏ん張りに加えてT&T(トランスポーテーション&トラベル)部門での物流の頑張りと旅客輸送部門が回復してきていることから、両備グループはじまって以来の105億円という経常利益を確保できたことで、両備システムズの配当金の増額等により財政上の余裕があったこと。
です。

「檉園」(ていえん)とは、創業者・松田与三郎翁の雅号であり、「檉」の字は中国の柳の一種で、どんなに強風が吹いても受け流して倒れないしなやかさとの意があるように、両備グループも4つの事業部門と1つの社会貢献部門によって両備型のリスク分散をすることで、どんな時代にでも乗り切って成長していけるようなしなやかな企業体質を創り出せるよう努力してきています。

今回も申請件数は79件にのぼり、いずれも本当に甲乙つけがたい秀作でしたが、3回に及ぶ選考委員会を経て50件が採択されました。
件数、総額ばかりでなく、今回は2件の素晴らしい特別賞が選ばれています。

1.新産業創出研究奨励賞は対象なしでしたが、岡山大学特任教授 中村栄三さんの『月での植物栽培:人類の自給自足に向けて』が特別賞として選ばれました。

中村栄三教授は、「はやぶさ2」が持ち帰った「リュウグウ」の砂から多数のアミノ酸を発見した世界的な科学者で、今回は水・炭素・窒素のない月で「リュウグウの土」のレシピでどうやって野菜などの植物を栽培するかの実験でした。両備テクノモビリティーカンパニーのアグリビジネス推進部のメンバーもその実験に加わっています。今、蕎麦を栽培していて花が咲き始めましたから、ヒョットすると「月」で「月見そば?」や「ムーンサラダ」が食べられるかもしれません。夢が膨らむ研究です。

2.高橋大輔さんにスポーツ特別功労賞を授与しました。

高橋大輔さんは、倉敷フィギュアスケーティングクラブで発掘されてスケート競技を始めて、あれよあれよと世界ジュニア選手権で優勝し、日本人で初めての男子フィギュアスケーターとしてオリンピックの銅メダリストとなり、世界選手権でも優勝し、一旦はシングル競技から引退しましたが、33歳にして新たにアイスダンスに挑戦して全日本選手権で初優勝し、世界選手権でも日本史上最高タイの11位に入るなど前人未到の活躍をした地元・岡山の誇りです。これまで永年、当財団で奨励賞を授与させていただいていましたが、一つの区切りとして、また大輔さんの新たな挑戦のスタートとして、今回、スポーツ特別功労賞を授与させていただきました。

大輔さんにはバンクーバーオリンピックの銅メダル獲得の凱旋記念として、旧・両備バス本社で両備のトラックの荷台を舞台にして掛け合いでの1問1答をしましたが、今回も1問1答で「岡山の後進の育成にも努力する」、「地元・岡山の皆さんにスケートショーなどを披露したい」などの答えが聞けて夢が膨らんできました。

2025年には岡山県で西日本初の冬季国体が開かれ、岡山県はスケートとアイスホッケー競技会の会場となりますが、この温暖な岡山県をスケート王国にしたのも彼の功績が大であったと思っています。

これからも素晴らしい岡山での生物学の研究や、文化・スポーツなどの発展への縁の下の力持ちとして少なからず貢献していければと願っています。







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