バス業界の常識を川上から変えていく。 DXに挑む社内ベンチャーMIRAHOOPの現在地。

2025年6月に設立された、両備グループの社内ベンチャー「株式会社MIRAHOOP(ミラフープ)」。観光・モビリティ業界のDXを推進する新たなシステム会社として、電話やFAXが主流でアナログだった貸切バスの受発注業務をデジタル化する「mobitas(モビタス)」や、全国の高速バスをプラットフォームでつなぐ高速バス乗り継ぎサービス「コネモビ」など、業界の構造や常識に切り込んだサービスを次々と立ち上げている。
取締役の三垣さんは、この画期的な2つのプラットフォームの推進リーダーだ。しかし、サービス開始に至るまでには、業界を巻き込むがゆえの葛藤や困難もあったという。
コーポレート企画部の荒木さんは、新会社「MIRAHOOP」に抜擢され、東京と岡山を行ったり来たりのハイブリッドな働き方を始めたばかり。新会社の発足、日本初のサービス開始という、めったに体験できないタイミングに立ち会った。
新卒2年目で、社内ベンチャーの立ち上げメンバーに選ばれた理由。
――Q.なぜ荒木さんを立ち上げメンバーに?
A.三垣:ひとつは、荒木さんが前向きでベンチャー的な思考の持ち主だと感じたこと。また、自分で考えて、行動できる人なんです。たとえば、会議のURLを先回りして発行してくれたり、本社の人との連携窓口になってくれたり、担当外のことでも、率先して拾ってくれる姿を何度も見ていました。ふたつ目は、勉強をいとわない姿勢です。きちんと調べたうえで、会議で必ずひと言でも発言しようというマインドが伝わってくるんです。その積み重ねが、この環境に合うと思いました。
A.荒木:そう言っていただけるのは、素直にうれしいです。簿記の勉強をしたり、AIについての本を読んだりはしています。それと、この仕事には小さな気づきが必要だと思っていて。ほかの社員との話のなかで、「これは、先にやっておけばいいな」と感じたことは、意識して動くようにしています。
こうした姿勢が評価され、立ち上げメンバーとして抜擢された荒木さん。
では、「MIRAHOOP」が目指している「挑戦」とは、どこへ向かうものなのか。
業界構造そのものに踏み込む、「川上を目指す」という考え方。
――Q.「川上」とは、どういう意味ですか?
A.荒木:課題が起きてから、対処するのではなく、そもそもその困りごとが生まれる構造から変えていくこと。未来側の仕事といいますか、未来側の仕事が「川上を目指す」ことなんじゃないかなって思っています。
A.三垣:そうですね。ビジネスの川上とは、起点のことだと思っています。川が流れていくように、いろんな製造工程があって世に出ていく。その先が川下ですが、我々は起点である「構想を作る」「商品を作る」側になることを目指しています。
100年超の歴史を持つ企業グループから、新しい事業が生まれ続ける理由。
――Q.新たな構想や実践が、この会社で可能なのはなぜでしょうか?
A.荒木:多様な事業を通して現場の声を聴いてきたバス事業と、課題解決の技術を持つ両備システムズ。その掛け算が自然に生まれているのだと思います。
両備には、「根底から変える」という発想と、経営理念である真心からの思いやりの精神「忠恕(ちゅうじょ)」がある。自分たちのためではなく、地域や業界のためにという感覚が挑戦を後押ししている気がしますね。
A.三垣:コップに水を注ぐように、まずは人や地域のために尽くす。すると、いずれ水があふれ、それが結果として返ってくる。お金がかかっても人のためにやり切ることが、一番真面目で確実なやり方だと思っています。
「MIRAHOOP」の主力サービス「mobitas」の実現には、相当な紆余曲折や苦労があった。2022年、三垣さんが主導して業界の仲間づくりのために始めた連絡会では、幾多の分裂危機もあったという。
粘り強い対話で困難を克服し、仲間づくりにチャレンジ。
――Q.業界全体の慣習を変える取り組み。難しさも多かったのでは?
A.三垣:一社や二社だけで完結する話ではありませんでした。業界全体の慣習そのものを変えるという挑戦。当社だけの利益を追求しているかのような誤解が生じたり、分裂しそうになったりと大変なことはいろいろとありましたね。それでも、話し合いを粘り強く続けた結果140社の賛同を得られ、仲間が次第にできました。システムをつくる以上に、「流れをつくる」ことが重要だったと思います。
A.荒木:自分たちだけがよくなるのではなく、ひいては業界や地域のためにという姿勢が、社員一人ひとりに浸透しているからじゃないかなと思っています。
生意気ですけど(笑)、応援したい、力になりたいと思い、今の仕事に当たっています。
「MIRAHOOP」で描く、次の挑戦。
――Q.荒木さんのこれからの目標は?
A.荒木:「mobitas」に続く、第三のサービスをゼロから立ち上げたいです。「MIRAHOOP」に来てから、マネジメントみたいなところも含めて上にキャリアを築いていきたいという思いが膨らんできました。しっかり学んで、事業を作っていきたいなって思っています。
挑戦したい人に、まっすぐ応えてくれる場所。
――Q.最後に、おふたりにとって両備グループとは?
A.三垣:両備グループは、肩書ではなく行動が評価される場所です。ビジネスでは正解が用意されていない分、自分で考え、自分で動くことで成長が実感できる。あらためて挑戦する人にとっては最高に面白い会社だと思っています
A.荒木:挑戦を真心で支えてくれる会社だと思っています。真面目にチャレンジして,一番いいのは成功ですが、失敗してもいいって受け止めてくれるところでしょうか。

profile

株式会社MIRAHOOP取締役上席執行役員COO
三垣さん
バス業界を巻き込みながら、前例のない挑戦を着実に進めてきた推進リーダー。

profile

株式会社MIRAHOOP コーポレート企画部
荒木さん
2024年入社。
両備ホールディングス・バスユニット統括カンパニーから「MIRAHOOP」へ異動。総務・人事・経理を横断的に担いながら、「mobitas」の開発会議にも参画し、会社の基盤づくりとサービスづくりの両方に関わっている。