おかでんチャギントン電車

「岡山に誇りを」。
無茶ぶりを笑顔に変える、
若きリーダーの挑戦。

牧さん
  • 岡山電気軌道株式会社
  • 自動車事業本部・岡南営業所長

岡山の市街地を走る、大人気の路面電車「おかでんチャギントン」。その誕生の舞台裏には、情熱的で人間味あふれるエピソードが詰まっていた。弱冠30歳の時に経営陣から大抜擢された牧さんは、トップの夢と多額の予算を賭けた大プロジェクトに参画することになった。その奮闘の向こうに見えた景色とは。

軌道事業のことも、「チャギントン」という作品自体も知らなかった牧さん。総額約5億円という巨額の費用が投じられ、路面電車としては異例の規模に衝撃を受けた。

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「チャギントンって何?」
から始まった
5億円の重圧。

はじめて話を聞いたときの感想は?

おかでんチャギントン電車のプロジェクトは、まさに「夢と無茶ぶり」からの挑戦でした。立ち上がると噂で聞いた当時、ぼくは両備バスカンパニーに所属していて「チャギントンってなんだろうね~?」と調べはしたけれど、自分には関係ないのかなと思っていました。

ところが、2018年7月頃、小嶋CEOと松田CSOから直接お呼びがかかって、「ぜひやってみないか」と声をかけられたのですが、当時30歳そこそこのぼくにやれるのか…という戸惑いしかなかったです。

でも、街を盛り上げたいという皆さんの夢にはすごく共感できたし、当時新社長だった松田CSOは「僕のわがまま」といいつつ、相当な熱量を感じたので、「やらせてください!」と返事をしました。

しかし、最大の苦労は、事業計画の策定だった。普通に走らせるだけでは絶対に元が取れない。しかも40年間走り続けることを前提とした長期契約を結ぶという。
      
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40年走り続けるエンタメ電車のハードルに挑む。

いざスタートしてみて、どのようなところに苦労しましたか?

会社として投資を行なう以上、それに見合う事業計画を立てなければいけません。そのうえ、子どもたちを楽しませるエンターテインメント性を持たせた設計も必要でした。僕らはエンターテインメントの専門ではないので、教育会社などの知恵を借りながら、ゼロから空間を作り上げるプロセスは苦難の連続でした。

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走り出した瞬間に見た、経営陣、街の人たちの
満面の笑顔。

「おかでんチャギントン電車」が走り出したときの感情は覚えていますか?

出発式を迎えるまでの期間、自分たちは必死すぎて、笑顔を見せる余裕すらありませんでした。若手としてチャンスを与えもらった喜びと、自分に務まるのかという不安とが混ざり合って、戦いの日々を過ごしながら出走式の日を迎えました。

なんだか「巻き込まれた」形ではありましたが、自分を信じてチャンスをくださったCEOやCSOが、完成した「おかでんチャギントン」を見て喜んでいる姿を見た時に、「頑張ってよかった!」と、はじめて自分も笑顔に。それからも、街なかを走っているおかでんチャギントンを見て、街の皆さんが足を止めたり、カメラを向けたりする光景を目の当たりにするたびに、「無事に走らせることができて、本当によかった!」という達成感が湧いてきました。

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「おかでんチャギントン」
を岡山の「誇り」
したい。

牧さんにとっての楽しい街づくりとは?

私の夢は、「おかでんチャギントン」を桃太郎やきびだんごに並ぶ「岡山の誇り」に育てることです。子どもたちが成長して県外に出たときに、「岡山にはチャギントンが走っているよ」と胸を張って言えるような、地域のアイデンティティとなる存在にしたいという想いがあります。

テーマパークがなくても、路面電車の沿線にはおいしいものが食べられるお店や楽しい商店があるので、県外や海外の方にもそういうところを巡ってもらいたい。電車だけではなく、バスやタクシーも連動させて、街中を「おかでんチャギントン」で埋め尽くしたいんです。公共交通を起点に、「街を歩くこと自体が楽しい」と感じられる仕組みづくりを目指しています。

現在は100名近い社員を抱える岡山電気鉄道の営業所長としても従事。「スタッフがいかに幸せで、笑顔になれるか」を最優先に考えている牧さん。トップの「無茶ぶり」を、地域の誇りへと変えていった舞台裏には、徹底した人間関係の構築と、人財を大切にする哲学がありました。
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性善説で懐に飛び込む
「裸一貫」の人間力。

牧さんの仕事のモットーは?

私の仕事に対する思いは、「人間と人間とのつながり」にあると思っています。初対面から「この人はいい人だ」という性善説に立って相手の懐に飛び込み、先入観を持たずに接するようにしています。会社にとって「人」こそ最も大切であるというのが、両備グループの理念。もし、今の場所ではなくほかの場所のほうが幸せになれると思う人がいれば、いろいろな業種がある両備グループならサポートすることができます。一人ひとりが幸せで、笑顔になれる場所を見つけ出すことが、自分の仕事だとも考えています。

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仕事も人生も
ここにある。

最後に。牧さんにとって、両備グループってどんな場所?

単なる職場ではなく、「第二の家族」や「第二の故郷」ですかね。ワーク・ライフ・バランスを実現しています。公私を分離するのではなく、互いにリフレッシュし合える温かい人間関係が、無茶ぶりを夢に変える原動力となっています。
たとえば、プライベートにおいても、イライラしてしまう場面があると思います。でも、会社に来たら忘れられるみたいな(笑)。上司とか同僚とかがすごくいい人たちで、本当に辞めたいって思ったことが一度もないです。それって、逃げ込んでいるだけかもしれませんけど(笑)。

岡山電気軌道株式会社
自動車事業本部・岡南営業所長

  • 牧 さん

大学卒業後、両備ホールディング株式会社 両備バスカンパニー入社。両備グループ経営戦略本部在籍時に、チャギントン事業の立ち上げメンバーに。両備グループの中でも、高いコミュニケーション能力を発揮する存在として活躍中。