- 新商品開発
- 2022.10.24
世の中にないものを、自らの手で創りたい―― だからこそ、「心の底からワクワクする環境」に飛び込んだ。
- 好きを仕事に
- 転職で未経験分野への挑戦
- 新しいものを生み出す面白さ
自己紹介
両備ホールディングス株式会社
両備テクノモビリティーカンパニー
大谷 峰史
大学は地元を離れ、県外の大学へ進学。その後、卒業と同時に地元サーキット場のコース管理、レーシングメカニック担当として、就職をする。当時、両備に勤めていた先輩から「一緒に仕事をやらないか?」という誘いを受け、面白い仕事ができるならと、転職を決意。
2017年に、両備テクノモビリティーカンパニー(※当時はソレックスカンパニー)への入社を決め、現在は製品を造るための「開発」を担当。同じ仕事がないと言い切るくらい、変化の多い毎日を過ごす大谷さんが、今両備で何を想い、何を面白がって仕事をしているのか、語ってもらいました。
■プロフィール
両備テクノモビリティーカンパニー
岡山開発室 オフィスマネージャー
▼開発は未経験、でも「ワクワクする」気持ちを信じて転職
―学生時代はどのような就活をされましたか?
地元は岡山県ですが、大学は県外に出ていました。当時から車やバイク、機械が好きだったのと、自分の専攻が物理学科でもあるので、好きなことに関われて、できれば学んだことが活かせる仕事はないかなと考えました。新卒で入社をした会社は、県内のサーキット場です。サーキット場では、コース管理、運営、レーシングカーのメカニックを担当していましたが、とにかくいろんな車と関りました。レース中に壊れてしまったり、動かなくなってしまった車を修理する。スピードも正確性も必要ですし、何よりもレースの中で「同じシーン」はありません。何が起こるか分からない中、起こったことに即対応する技術を習得することができたのが、サーキット場での仕事だと思います。
―そんなサーキット場での仕事を退職することになった、キッカケをおしえてください。
サーキット場ではコース運営、メカニック(整備の仕事)を4~5年やってきたので、ある程度一通りのことは自分でこなせるようになっていた時期でした。そのタイミングで、お世話になった先輩にお誘いを受けたんです。今は両備テクノモビリティーカンパニーというカンパニーですが、当時はソレックスカンパニーというものづくりの会社で開発を担当されていた先輩です。
その先輩から、「後継者になってほしい! 」というお声かけをいただきました。正直、当時の私は開発の経験はなく、本当に私に務まるのか不安がよぎりました。そんな私の心中を察したのか、「経験ゼロからでも教えるから! 」と・・・それだけで安心しましたね。ただ、一番決め手となったのは、「大谷が入ればすぐエースになれるよ」という言葉でした。お世辞でも安心しました。エースという言葉もそうですが、そこまでして引っ張ってくれる先輩の想いが嬉しかったです。最終的には「力になりたい! 」と思っていました。
そして、現在のカンパニー長からも、「これから会社をどんどん大きくしていきたいんだ。だからついてきてくれないか?」という<夢>を話してくださいました。未来を語ってもらって、そこに自分が関わるということにワクワクしたのを今でも覚えています。
▼未来に残る価値やものを、自分の「手」から生み出したい
―具体的にどのような<夢>でしたか?
「この会社で自分の好きなものを造って、それを世の中に広めて、大きな会社にしよう」という夢です。好きなものというのは、まず「自分がものを造るのが好き」ということが第一だと思います。そのものづくりが好きという気持ちが前提条件にあって、次にお客様に合わせ、ニーズに合わせて、ものを造る必要がある。
その中で、「世の中にないもの」「お客様の役に立つもの」そういった付加価値を感じていただけるものを造る・・・できあがるものだけでなく、造り上げていくプロセスを全てひっくるめて、私たちは「面白いもの」と捉えていて。そのプロセスを楽しみながら、新しいものを、テクノから生み出したいと思っています。
―単純にものをつくるのではない、「新しいものを生み出す」ということに、プレッシャーに感じず、面白がっているように見えますが・・・実際はどうですか?
そうですね。私は「人と違うことが好き」という基本的なパーソナリティーがあって、その上で「挑戦すること」がモットーな人間なんです。なので自分から茨の道を選んでいますがプレッシャーは勿論ありますし、納期含めてお客様の要望を叶えるために必死ですね(笑)
そういったこともあり、テクノに入って「マンネリ化」ということは感じたことがないです。仕事を始めて3年ほどたつと、慣れてくることもあり、人によっては飽きたり、それこそ転職を考える人もいると思いますが、ここは良い意味で毎回毎回苦労していろんなことをやっているので、飽きるということはありませんし、その苦労も「面白い」と思いますね!
―そんなに苦労がたくさんあるのですか・・・?
これは誤解があるといけないのでちゃんとお伝えしておくと、どちらかというと、私が自分から苦労する環境を取りに行ってます(笑)
弊社は、最初にお客様から商品について問い合わせをいただきます。それに対して、その仕事に担当を割り当てるのですが、そのタイミングで、みんなが難しいかも・・・という難易度の案件もあったりします。そんな雰囲気がでてきたときに、私が「なんとかなるんじゃないですか?」って案件担当に手を上げるんです。そうすると、私が担当することが決まります。もちろん、やみくもにお受けするのではなく、オーダーをいただいた段階で、大雑把にイメージを掴んでいる状態なので、手を上げます。また、お受けして作業を進めていく段階でも、解決しなければならない様々な課題にぶつかります。そういう時には、「自分ならなんとかできる!」と思いながらやっています、やるしかないと(笑)
今まさに取り組んでいる案件は、そんな案件です。お客様が、他社さんから「できない」とお断りされた案件で、最初は「できるかな?」と思っていたのですが、作業を進めていくうちに、どんどんいろんな課題が出てきて・・・(苦笑) しかしながら、お受けしたからには成し遂げようと、今一生懸命取り組んでいます。苦労もありますが、そんなことも経験にできるような環境ですね。
▼本気で、仲間とともに、岡山から日本一を目指す
―失敗したから得られる経験、その対価の方が大きいという考え?
勿論です。どんな大きな成功をしたプロジェクトであっても、その過程には必ず失敗はあると思っていて。その一部と考えればいいかなと思っています。
弊社には、「失敗は10回してもOK、その代わり早く10回の挑戦を行う。」というような風土があります。失敗を恐れて何もしないよりも、失敗してもいいから挑戦する、失敗から得られる経験を大切にする会社です。挑戦の先に新しい商品や新しいアイディアが待ってると思ってます!
―大谷さんは、将来どんな開発者になっていたいですか?
弊社のメイン商材はトレーラーという商品で、そのトレーラーは世界中にだしても恥ずかしくないクオリティーです。販売するためのコストなどは置いたとしても、世界で戦っていける商品を持っていると思います。会社目線でみると、トレーラーのような商品の販路を世界に広げると、もっと可能性があると思っています。
そんな商品を扱う会社の中で、個人としては、一流メーカー開発者と同じような実力をもち、同じようなレベルの商品を造りたいと思ってますね。一流メーカーにあって弊社にないものは、蓄積された技術です。一流のメーカーには、何十年と先輩方から引き継いだ技術が蓄積されているため、いざというときにすぐその技術を活用することができる。弊社はまだその技術の蓄積が浅いので、そこをアイディアで追いついていこうとしていますし、負けたくないという想いはありますね。
そういう想いがあるからこそ、日々向上心をもち、向上心を行動に移しながら仕事をやっています。それが仕事の楽しさへと繋がっていると思います。
―取材を終えて・・・
今回の取材は、両備テクノモビリティーカンパニーの吉備工場で行ないました。吉備工場は山に囲まれ、夏でも涼しげな鳥の声や、葉の揺れる音が印象的な場所です。
少し中心部から離れ、開放感のあるこの自然豊かな場所だからこそ、クリエイティブな発想から、日本一を目指すものづくりが生まれる日も近いのではと感じました。
大谷さんのマインド・ものづくりへの熱い想いもとても魅力的でした。今回はありがとうございました!
大谷さんをはじめ、若手チームが開発に携わった新製品
<made in 岡山のEVリバーストライク>↓↓
https://ryobi-techno.com/ev-trike/